シトロエンC4ピカソ 1.6 e-HDi
公開 : 2013.06.01 12:56 更新 : 2021.03.05 21:44
■どんなクルマ?
シトロエンのミドルクラスMPV、C4ピカソが一新された。この新しいC4ピカソは旧モデルと共有する点がほどんどない。将来的に20以上のモデルに使われるPSAプジョー・シトロエン・グループのEMP2プラットフォームが使用された最初のモデルでもある。
その新しいプラットフォームは、ボディの半分にアルミニウムを使うことによって軽量化がなされている。このC4ピカソでは140kgもの軽量化がなされている。
そのシートはデビュー当時は5シーターで、7シーターは年内に追加される予定だ。
新しいプラットフォームを持ったC4ピカソは、55mm長いホイールベースを持ち、全高は40mm低くなっている。
フォードCマックス、ルノー・セニックをライバルとするそのスタイルは、強いメッセージを持ったモデルだ。スリムなLEDデイタイム・ランニング・ライトは少しばかり奇異な印象を受けるが、DSと同様、シトロエンは今後も個性の強いモデルを発表していく予定だという。
■どんな感じ?
われわれはベストセラーになると考えられる115bhpの1.6のe HDiディーゼルをドライブした。このエンジンは、16:1のコンプレッション・レシオ、5ホールのインジェクター、新しいEGRバルブ、新しいピストンを与えられ、パワーは旧いエンジンと変わりないが、低回転のトルクが厚くなり、24.8km/ℓの燃費を持つようになった。パフォーマンスは、0-100km/hが11.8秒、そしてトップスピードは188km/hだ。
街中では低回転型における素晴らしいレスポンスを見せる。また、組み合わせられる改良されたロボタイズ6速マニュアル・ギアボックスも滑らかで操作しやすい。
10.8mという小回りの効き、しかもスリムなAピラーのため視界は非常に良い。また、高いドライビング・ポジションもあって、街中ではイージーにドライブできる。但し、それは舗装路面が滑らかなという但し書きが付く。路面が荒れているところでは、快適な乗り心地ではない。
ハンドリングは安全でリニアなフィーリングで、まったく問題ない。低重心のため、旧モデルよりもロールも少なく、あらゆるシチュエーションで精密だ。また、捻れ剛性の高さも特筆すべきだ。しかし、ステアリングはフィードバックに乏しく、アンダーステアも発生しやすい。
低いウインド・ノイズ、ロード・ノイズのため高速クルージングも快適だ。
しかし、このクルマの魅力は、ドライビングよりもキャビンにある。特に、インテリアのスペースは印象的だ。リア・シートはたたむことができ、その場合、ブート・スペースは537ℓから630ℓになる。フロント・シートにオプションで用意されるリラックス・パッケージは、カーフ革のシートバック・ヘッドレスト、サイド・サポートを持ち、更にはマッサージ機能も付く。
また、新しいC4ピカソはそのクオリティも高い。旧いモデルよりも遥かにグレード・アップしており、シトロエンとしては今までで最高のものと言っても過言ではない。
■「買い」か?
あなたが適切なシティ・パフォーマンスを持ち、燃費が良く、ルーミーで、扱いやすいミドルサイズのMPVを探しているのであれば、このC4ピカソは最適な1台だ。但し、そのスタイルが気に入って、エンジン・パワーをあまり気にしないというのが条件だが。
(フランシスコ・モタ)
シトロエンC4ピカソ 1.6 e-HDi
価格 | NA |
最高速度 | 188km/h |
0-100km/h加速 | 11.8秒 |
燃費 | 24.8km/ℓ |
CO2排出量 | 105g/km |
乾燥重量 | 1298kg |
エンジン | 直列4気筒1560ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 115bhp/3600rpm |
最大トルク | 27.7kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |