メルセデス・ベンツV250ブルーテック・アバンギャルド

公開 : 2014.04.08 22:40  更新 : 2017.05.23 16:58

■どんなクルマ?

7人乗りのモデルを求める人のためのメルセデス・ベンツがこのVクラスだ。従来のビアノに代わるモデルだが、そのフォーマットは伝統的なバンである。

しかし、今回テストしたVクラスが、コマーシャル・ビークルであるバンと異なる点は3つある。そのひとつは、CクラスSクラスとも共通するフロント・デザインだ。その驚くほど滑らかなボディは、レクサスLFAと同じCd値0.31を得ている。ふたつ目は搭載されるエンジンだ。2.1ℓのターボ・ディーゼルは、パフォーマンスと経済性を両立している。そして3つ目は、その豪華な内装である。£40,000(680万円)のエントリー・モデルであっても、あなたが望む装備と内装が用意されている。アバンギャルド・トリムのV250ブルーテックの価格はおおよそ£45,000(770万円)程度になると予想されるが、その正確な価格はまだ発表されていない。

Vクラスにはショート・ホイールベースとロング・ホイールベースの2つのボディが用意されており、ロング・ホイールベース・モデルは全長が5mを超えるが、運転は非常にイージーだ。その幅は、フォード・ギャラクシーよりも広いが、1880mmという全高は、立体駐車場や洗車機にも対応するものが多いはずだとメルセデスはコメントしている。

■どんな感じ?

フォード・トランジットとトルネオの関係のように、そのルーツが商用車であるということは全く感じられない。キャビンはすべて柔らかいタッチの内装が使用されている。そのクオリティは先代のビアノを大きく超えている。また、先進のコマンド・システムや、オートマチック・ギアボックス、スロットル、ブレーキ、そしてステアリングなどに最新のテクノロジーが組み込まれている。

7シーターが基本だが、2列目と3列目がそれぞれ2シーターずつで向き合うことのできる6シーター・レイアウトはオプションだ。また、装備のひとつとして、360°俯瞰できるカメラも用意されている。

今回テストしたV250ブルーテックは、ビアノのV6ターボ・ディーゼルに変わるモデルで、排気量は小さくなっているものの、0-100km/h加速は変わりない。エンジンは優雅で、Cクラスではあまり好印象のなかった2.1ℓディーゼル・ターボだが、このVクラスに搭載されているものは改良が施されており、クラスをリードする存在だ。

アジリティ・セレクトというオプションを選択すれば、3つのスロットルおよびギアシフト・マッピングが選択できる。オーバーブースト・モードでは13ps、4.1kg-mがプラスされるというもの。

ステアリングはやや不明確だが、その乗り心地は快適そのもの。アダプティック・ダンパーが採用される予定の英国仕様に試乗するまでその明確な判断はさけるが、ドイツ仕様のスチール・スプリング・モデルよりも良いのは確実だ。

また、7Gトロニックのギアボックスの精度と、ブレーキ・ペダルの安定したフィーリングにも感銘を受けた。

■「買い」か?

高級なブランドのMPVを望むのであれば、このVクラスはおすすめだ。しかし、ブランドにこだわらないのであれば、フォード・トルネオやヒュンダイi800でもいいかもしれない。

しかし、このVクラスのユーザーは、VIPを輸送するためにこのクルマを使用することになるだろう。そうしたパッセンジャーが予想されなければ、自分のためにこのクルマを買うというのは、価格的には不利になると思われる。

(スチュアート・ミルン)

メルセデス・ベンツV250ブルーテック・アバンギャルド

価格 NA
最高速度 206km/h
0-100km/h加速 9.1秒
燃費 16.6km/ℓ
CO2排出量 157g/km
乾燥重量 2075kg
エンジン 直列4気筒2143ccディーゼル・ターボ
最高出力 193ps/3800rpm
最大トルク 44.9kg-m/1400-2400rpm
ギアボックス 7速オートマティック

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