7代目フォルクスワーゲン・ゴルフがデビュー
公開 : 2012.09.05 23:45 更新 : 2017.06.01 01:02
旧モデルよりも軽く、ルーミーなデザインで、安全性と経済性を大幅にアップした7代目フォルクスワーゲン・ゴルフがお披露目された。今月後半のパリ・モーターショーの公式発表を前に、ベルリンで行われたメディア・プレゼンテーションで、そのスタイリング、インテリア、そして主要なセーフティ・ギアが公開されたのだ。
フォルクスワーゲンのチェアマン、マーティン・ヴィンターコルンは、6代目ゴルフよりも軽くなっていることを明かした。「軽くはなっているが、安全性と快適性は向上している」と彼はコメントしている。
新しいゴルフのエンジン・ラインナップは、まず最初に2つのターボ・ガソリン・エンジンがリリースされる。85bhpの1.2リッターと、138bhpの1.4リッターだ。1.2リッターは20.4km/lの燃費と112g/kmのCO2排出量を持ち、1.4リッターはシリンダー・ストップによって20.9km/lと113g/kmのCO2排出量を持つ。
またパワー・アップした103bhpの1.2リッターと、逆に経済性を重視した120bhpの1.4リッターも、来年後半には追加される予定だ。
先進の技術をとりいれた158bhpを発揮する1.4リッター・ツイン・チャージャー(ターボ+スーパーチャージャ)は、コストの面から見送られた。しかし、178bhpのターボ付き1.8リッター・ガソリン・ターボはラインナップに加えられる可能性があるようだ。
ティーゼルについては、1.6リッターと2.0リッターが用意される。最も注目すべきは1.6リッターのブルーモーションで103bhpの出力で、このエンジンは、31.3km/lの燃費と85g/kmのCO2排出量を持つ。
2.0リッターは148bhpで、24.4km/lの燃費と106g/kmのCO2排出量を持つ。またGTD用として177bhp版も良いされる。更に、222bhpを発するツイン・ターボ付き2.0リッター・エンジンも検討されているようだ。
更に天然ガスで動くエコ・フューエル版の1.4リッターや、EVも予定されている。
そのスタイリングは、マーク・リヒテによってなされたものだが、ゴルフの伝統を継承しつつも、はっきりとしたフロント・ホイールアーチや太いCピラーが特徴だ。ドアに引かれたプレス・ラインも大きなアピール・ポイントのひとつである。また、より短いフロント・オーバーハング、フォルクスワーゲンのデザイン・ヘッドであるクラウス・ビショーフがいうところの”プレミアム・クラス”を感じさせるリアに移動したと思われるキャビン・デザインも新しいゴルフの特徴でもある。
ゴルフには6つのボディ・バリエーションが用意される。5ドア・ハッチ、3ドア・ハッチ、ハイルーフの5ドア・ハッチ(ゴルフ・プラス)、5ドア・エステート(ヴァリアント)、そして4ドア・サルーン(CC)、そして2ドア・カブリオレだ。
前作6代目は、5代目ゴルフの大幅なフェイスリフトとも言えないこともなかったが、この新しいゴルフは一から設計をやり直したモデルだ。長さは56mm長くなり4255mm、幅は13mm広がり1799mm、そして高さは28mm減った1452mmだ。ホイールベースは59mm長くなり2637mmとなっている。また、トレッドもフロントが8mm、リアが6mm広がり、それぞれ1549mm、1520mmとなった。
より大きなキャビンは、リアのレッグ・スペースが15mm大きくなっている。前後それぞれ、31mmと30mm、ショルダー・クリアランスも改善されている。380リッターの荷室スペースは、先代よりも30リッター大きくなっている。
新しいゴルフのプラットフォームはMQBで形づくられる。そのプラットフォームは、前作のPQ35プラットフォームよりも37kg軽量化されている。そのボディ重量は、最大で109kgの軽量化がなされているが、その内訳は、エンジンが40kg、シャシーが26kg、電気系統が6kgだ。最もベーシックなモデルの重量は1050kgだ。
ゴルフは横置きの4気筒ガソリンとディーゼル・エンジンが搭載される。すべてアイドリング・ストップとエネルギー回生システムが装着される。
エンスージアストの興味は、ゴルフGTIになろう。これはより強力なゴルフRと同時に、来年後半に発表されることになろう。これには、従来のEA113エンジンに代わり、アウディと共同開発のEA888エンジンが搭載されることになる。新しいゴルフGTIは222bhp、そしてゴルフRが276bhpのパワーを持つことになろう。
トランスミッションは、オプションで6速および7速のデュアル・クラッチが用意され、標準では5速および6速のマニュアルとなる。また、来年の今頃までに4WDモデル、4モーションも加えられるはずだ。
駆動系で大きなニュースは、以前はゴルフGTIのみに採用されていた電動ディファレンシャル・ロックがすべてのFWDモデルに標準となることだ。これは、前輪のトラクションをモニターし続け、ホイール・スピンを防ぐというものだ。新しいゴルフのシャシーについては、ほとんどが明らかにされていないものの、AUTOCARは2つのサスペンション形式があると見ている。ロー・エンドなモデルは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがトーション・ビーム、そしてハイ・エンドなモデルは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクとなるだろう。
新しいゴルフのドライビング・シートは20mm後方に移動し、ギア・レバーも20mm後ろに移動している。スロットルとブレーキ・ペダルの間は16mm増加している。ステアリング・ホイールの調整幅も広がり、電気式のハンドブレーキを採用することによって、センター・コンソールのスペースも広がっている。
新しい安全装置は、マルチ・コリジョン・ブレーキング・システムが標準となったことだ。これは、衝突時のセカンド・インパクトを防ぐために自動的にブレーキングするというものだ。