VWゴルフII修理レポート その1
オートクラフトの野田です。
弊社関係者の知り合いがゴルフIIのクラッチ不具合で困っているので、弊社で修理引き受けられるかとの問い合わせから始まりました。
その車両は弊社から500km以上離れた地域でお使いで、ディーラーではパーツが生産廃止なので手を付けられないとのこと。
車両データ;VWゴルフII 19RV 右ハン 5M/T パワステ付き、P/W無し 走行20万キロ 2オーナー車(25年所有)
症状;片道7〜8キロの通勤に使用、往路は問題ないが、特に夏場帰宅時ギアが非常に入り難く困ることがある。
もちろん修理させていただきたいのですが、なにせ遠方なので陸送費なり、交通費なり余分な費用がかかりますし、20万キロですし、本当に修理させてもらってよろしいですか?と確認させてもらったところ、「それでも他に欲しい車もないので、お願いしたい」とのこと。
遠方から陸送業者にて、車両が搬入されました。
事前に写真、修理履歴等はいただいており、少し乗らしていただくと想像していた以上に走行20万キロオーバー車の割りには、車両自体がまだ生きている、修理するに値する車両だと確信。ただ、入庫前に聞いていた言葉の意味が、たった今分かりました。
「空調の吹き出し口から、ときどき白いものが出ますが気にしないでください。それは地元で直しますのでクラッチ問題に特化して修理お願いします。」
お預かり前のやり取りで、地元で故障したりした時に困るので地元のディーラーなり修理工場との関係を大切にされたほうがよいと助言させて頂いて、12ケ月点検整備を地元で済ませてからの入庫でしたが、白いもの?というか煙というか、すごい湿気というか、、、、、フロントガラスが曇って試運転もできません!!!やはり、ヒーターコアから冷却水漏れ、トホホ。
クラッチをバラす前に、どうしても不具合症状を確認したく、とりあえずヒーターをキャンセルして従業員の通勤で1Week使用するも不具合症状確認出来ず、ただクラッチのフィーリングはもう賞味期間終わってる感じが明確なのでクラッチO/Hは確定。そんなこんな(ヒーターコア水漏れ含め)お話をさせて頂きまして、車両全体の点検も追加でご用命いただくこととなりました。
ヒーターコア交換でもうインパネ降ろし確定、となるとクーラーはR12のままだし、リフレッシュすべき。コンデンサーや冷却ファン関係も見直すべきだし、、、、。
ばりっと直すなら、シフトリンケージに、いろいろありますねぇ。
ミッションのオーバーホールというか、1〜3速のシンクロ交換くらいはやったほうがいいし。
車両全体の点検を済ませ、カムシャフトシールからのオイルリークやら、エンジンミッションマウント、パワステホースやらバキューム配管系のやり直しやら、クーラーリフレッシュやらメニューに盛り込み見積りを作成してみると、本当にこの金額をこの車にかけていいんですか?的金額に、、、、、。
こちらの気がひけてしまい、陸送代無駄になりますがこのままやめることもできますと提案するも、「他に欲しい車もないし、もし代替するとして私の欲しいと思える車はその額の倍以上はするから、構いませんそのメニューですすめてください」
あ、ありがとうございます。
ご了承はいただいたものの、部品の入手もむずかしくなっているゴルフII、ミッション降ろしてクラッチバラして、ミッションケース割ってみてから部品を慎重に手配せねばなりません。
ヒーターもコア交換だけで済めばいいが、、、、。ということで、ミッション降ろし、インパネ降ろしをまず敢行です。
クラッチをバラしてみると、フライホイールダメ、一般的なフライホイールではないので加工せず交換したい。
ミッションを開けてみました。過去に見たことがないくらい内部が真っ黒、オイル交換サイクル遅すぎ、もうベアリング全部交換しないと心配で組めません。
インパネを降ろし、クーラーユニット、ヒーターユニットと降ろし、分解。
エバポレーターは相当汚れてますが時間をかけて清掃対応で、エキパン交換、メカサーモは何か代用品を探せるでしょう。
空調関係の毎度悩みのタネが、スポンジです。これらをキレイに除去しないと、VENT口からカスが出てくるんですよ、除去するだけでは当然ダメで貼り直しが必要なのですが適当なものを選ぶのが、難しい。もう大人の工作です。バタフライのパタン音がしていいのか、いやしないほうがやっぱりいいよなとか自分なりの答えを出し、それを達成するトライ&エラーを繰り返します。結果は当たり前になっているだけなので、たいして喜んでいただけないのですが、今しか出来ないので手を抜けません(涙)。
ミッション降ろし分解した結果ベアリングオール要交換、フライホイールも要交換、まだやめらることできますが、、、と打診するも、追加パーツ交換承諾いただきました。
その2に続きます。