【新CEO、さらなる高みを目指す】プジョー リンダ・ジャクソンCEOに聞く 親しみやすさとハイエンドの両立
公開 : 2021.04.12 20:05
ハイエンドのジェネラリストを目指す
――BMWやアウディなどの高級車ブランドと並んで、プジョーを検討してもらいたいと思いますか?
「わたしは、プジョーに『ハイエンドのジェネラリスト』であってほしいと思っています。なぜなら、それは多くの人々にとって手の届くものだからです。もちろん、わたし達は価値を創造し、以前よりも高級化していますが、そこに至るまでに10年の歳月を費やしており、その恩恵はわたし達だけでなくお客様にも及んでいます」
「上位モデルの構成比を見ると、少なくとも3分の1はありますから、お客様はおおむねそちらを選んでいます。しかし、208は道行く一般の人にも手が届くモデルであり、これはプジョーにとって非常に重要なことなのです」
――プジョーの新しいロゴは、ブランドの伝統に基づいています。レトロなクルマを作りたくなることはありますか?
「シトロエンにいたときも皆に聞かれましたが、答えはプジョーでもまったく同じです。素晴らしい経験をしたものを再現しようとすることには、いつも少し注意を払っています。わたし達の歴史は重要であり、過去に起こったことは未来へのインスピレーションとなります。そのため、過去からある種のインスピレーションを得ることはできますが、過去に戻ってレトロモデルを作ることで、自身の才能を示せるわけではありません。それは革新性を示すものではないと思います」
「プジョーは非常に独創的で革新的な企業ですから、今後は非常にモダンなコンセプトを示していきたいと思っています」
環境に配慮したソリューション
――PSE(プジョー・スポーツ・エンジニアード)から何を得たいですか?
「もちろん販売のチャンスもありますが、重要な役割があります。1つは、わたし達が行っているスポーツ・プログラムからの橋渡しであり、もう1つは、プジョー・スポーツが未来のテクノロジーのために多くの実験を行っているということです」
「そして3つ目に、パフォーマンスを維持しながら環境を守ることができるということを示します。クルマを運転するのは楽しいものでなければならない、という強いメッセージが込められています。わたしはクルマを運転するのが好きです。508 PSEをル・マンで走らせたことがありますが、とても楽しかったですよ」
――新しい108は作らないのですか?
プジョーとシトロエンは欧州のAセグメントから撤退する。108はトヨタ・アイゴ、シトロエンC1とプラットフォームを共有する小型車だ。
「今、わたし達は内省モードに入っています。単に108というモデルだけではなく、小型車やモビリティについてどうするかを検討しているのです。多くの都心部ではICE車が禁止されるので、ICEではないソリューションを見つけなければなりませんが、それはあのサイズなのか?もっと小さいのか?まだわかりません」
「いろいろな会社と連携していますが、本当に時間をかけるべきことは何なのかを考えなければならないと思います。セグメントは、昔のAセグメントのような単純なものではなく、『都市環境のための次のソリューションは何か』を考えなければいけません。そして、その答えはまだ出ていません」