世界のワイルドすぎるクルマ 43選 前編 平凡からかけ離れた異端児たち
公開 : 2022.09.24 18:05
アストン マーティン・ラゴンダ
英国の自動車デザイナー、ウィリアム・タウンズ(1936-1993)がデザインしたラゴンダ。1976年にデビューしたとき、ファンからは戸惑いと憤りとともに迎えられた。
それまでのアストン マーティンは、スタイリッシュで曲線的なデザインだった。しかし、タウンズのデザインは、フラットなパネルをシャープなエッジでつなげただけのものだった。保守的な伝統主義者はぞっとしたことだろう。
しかし、ラゴンダは1990年まで生産された。1987年のタウンズによる改良型でも、ラゴンダの個性は失われていない。
アストン マーティン・ヴィクター
限定生産されたハイパーカー「One-77」をベースに、サーキット専用車ヴァルカンのサスペンションとヴァルキリーのメーターディスプレイを採用したワンオフモデルが、こちらのヴィクターである。
搭載される7.3L V12エンジンは、コスワースによってOne-77より強力な、847psにアップグレードされている。
スペックもワイルドだが、外観はさらにワイルドだ。カーボンファイバー製ボディは、1977年から1989年まで製造されたV8ヴァンテージのスタイリングを踏襲している。丸型ヘッドライトとブラックの塗装から、アストン史上最もアグレッシブなロードカーの1つに数えられる。
アウディ・タイプK
アウディ・タイプKは、技術的にはかなり進んだクルマだった。しかし、オーストリア=ハンガリー帝国出身のパウル・ヤーライ(1889-1974)の手にかかるまでは、1920年代当時の他のクルマとほとんど同じ姿をしていた。
ヤーライは、かの有名なツェッペリン飛行船の設計に携わった航空技術者で、空力に関する知見を活かし、自動車においても並外れたボディを生み出している。あまり知られていないドイツのメーカー、レイやディキシーでも採用された。
タイプKをベースに作られたこの開発車両は、車幅の割に背が高く、横風やコーナリングで転倒する危険があった。しかし、ヤーライの理論通り、直線では従来のボディよりはるかに速かった。
BACモノ
アリエル・アトム同様、BACモノとその後継車であるBACモノR(写真)は、見た目よりも速さを追求したモデルである。
英国のBAC(ブリッグス・オートモーティブ・カンパニー)は、レーシングカーのような軽さと最適な重量配分にこだわってモノを設計している。
また、シングルシーターとクローズドホイールを組み合わせたデザインも特徴的。この形状の利点は非常に大きく、F1をはじめとするほとんどのモータースポーツで禁止されているほどだ。