【現実の環境でテスト】メルセデス・ベンツEQS 450 4マティックSUV 一般道/高速道路で検証

公開 : 2023.08.15 12:50

走行可能距離 私の走りでは453km

今回の試乗で走行した距離は362kmで、この間に2回充電を行った。クルマを受け取った際の走行可能距離は603kmであったので、一度の充電で良いはずだが、川崎から都内で用事を済ませて甲府に向かった時には、152kmを走って、走行可能距離残が352km、62%まで減少していたので、甲府で念のため、8kWの充電器で満充電にした。と言ってもメルセデスの場合は6kW(実際には6.5kW流れていた)しか流れないので、7時間10分掛かっている。

2回目は210km走行した後で、走行可能距離残340km、58%の時点で、やはり、8kWの充電器で充電を行った。この時は8時間弱掛かっている。トータルの電費は86.24kW/362km=4.20kW/kmとなった。

トータルの電費は86.24kW/362km=4.20kW/kmとなった。あくまでも推定だが、私の走りでは453kmが現実的な走行可能距離となる。
トータルの電費は86.24kW/362km=4.20kW/kmとなった。あくまでも推定だが、私の走りでは453kmが現実的な走行可能距離となる。    戎大介

とすると、あくまでも推定だが、私の走りでは453kmが現実的な走行可能距離となる。カタログデータよりは少ないが、これだけ走ることが可能なら問題はないだろう。

世の中の趨勢としては、普通充電器でも8kWがあるし、急速充電でも150kWが増えてきている。メルセデスのEVでも6kW以上への対応をお願いしたい。メルセデスのEVオーナーは、107.8kWものバッテリーに対し、6kWの普通受電器しか用意していないのは不満ではないのだろうか?

次のステップはインフラ整備

価格は車両本体が1542万円である。試乗車は、これにオプションとして、AMGラインパッケージが44万円、ショーファーパッケージが85万8000円、デジタルインテリアパッケージが121万円、ブラウンマグノリアインテリアトリムが11万円、ダイヤモンドホワイト塗装が18万7000円で、〆て280万5000円となり、総合計は18322万5000円となっている。

今はどこのメーカーもオプションで稼ぐのは当たり前となっているが、この数値はついため息が出てしまう。

次のステップは、安心して使用できるだけのインフラ整備にかかってくるのは間違いない。
次のステップは、安心して使用できるだけのインフラ整備にかかってくるのは間違いない。    戎大介

ホイールを思い切り四隅に置いたため、7人が楽に乗れるようになったインテリアは、このクルマで最も価値のあるところだ。3世代などの家族全員で移動が可能というのは、大きなメリットだろう。

これで、メルセデスの上級クラスのEVは、EQEEQS、EQS SUVと一通りのラインナップが揃った。次のステップは、安心して使用できるだけのインフラ整備にかかってくるのは間違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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