【1000万円超え】初代NSX最終型 高額落札のワケは? オンライン・オークション 初期型も出品

公開 : 2020.06.01 09:25  更新 : 2021.10.11 09:33

「初代NSX」が、オークションに登場。邦貨にして1000万円超えで落札されました。高額になる条件が揃った、と分析されています。なにしろ、同時出品された初期型は、日本の中古相場レベルの結果に。

RMサザビーズ・ドライビング・イントゥ・サマー開催

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RM Sotheby’s

コレクターズカー・オークション最大手のRMサザビーズは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、3月からオンラインに切り替えて開催されている。

その第3弾となる「ドライビング・イントゥ・サマー・オークション」の入札が、5月29日に締め切られた。

RMサザビーズのオンライン・オークションに出品された2005年製NSX-T。
RMサザビーズのオンライン・オークションに出品された2005年製NSX-T。    RM Sotheby’s

これは、アメリカのインディアナ州で開かれる予定だったオーバン・オークションに替わるもので、地元アメリカ車を始め、欧州車から日本車まで幅広いメイクス/年式の205台が用意された。

そして、今回出品された日本車の中で最高落札額を記録したのは、2005年アキュラNSX-Tの13万7500ドル(1485万円)。ヘッドランプが露出した後期型でタルガトップの「タイプT」だった。

ここまで値を上げたのにはワケがある。

2005年製 ミッション/走行距離/仕様は?

高値となった理由は、まず初代NSXとして最終生産年となった2005年製であること。

そして誕生から15年を経ているにもかかわらず、走行距離が5400マイル(8640km)という新車に近いコンディションだったことが挙げられる。

低走行と素晴らしいコンディションが評価され、1485万円で落札。6MT仕様だ。
低走行と素晴らしいコンディションが評価され、1485万円で落札。6MT仕様だ。    RM Sotheby’s

さらに、6速マニュアル・ギアボックスである点が評価された。

これに加えて、ブリリアント・ブラックの外装色で、ブラック・レザーのインテリアという組み合わせもアメリカ人好みで目を惹いたといえる。ちなみにこの年の北米向け生産のうち、このカラーの組み合わせはわずか43台に過ぎない。

また、ディーラーで装着したというコンプテック製スーパーチャージャーも、アメリカ的なモディファイでポイントといえる。

スーパーチャージャーが追加されたこと以外は、完璧にオリジナルを保ち、車載ツール、マニュアル類、スペアキー、スペアタイヤバッグなどもすべて揃う。

これだけの素晴らしいコンディションを保ったNSXは、今後マーケット出てくる可能性が極めて低いことから、ここまで値を上げたといえる。

初期型NSX(10万km走行)も出品 結果は?

「ドライビング・イントゥ・サマー・オークション」には初期型のNSXも姿を現した。

1991年製のアキュラ版で3Lエンジンを搭載した5速マニュアル・ギアボックスという仕様。

1991年製の初期型も登場。10万kmオーバーとあって、日本の中古車相場と変わらぬ額に。
1991年製の初期型も登場。10万kmオーバーとあって、日本の中古車相場と変わらぬ額に。    RM Sotheby’s

フォーミュラー・レッドのボディカラーにブラック・レザーのインテリアという定番の組み合わせとなる。

こちらは走行6万5821マイル(約10万5300km)と走り込んでいるが、フルオリジナルで良好なコンディションにあった。

さすがに29年の疲労が内装のレザーに見られることもあり、4万4000ドル(476万円)と日本の中古車相場と変わらぬ額で終えている。

NSXがネオクラシックのアイテムカーとして広く認められるのには、もう少し時間が必要かもしれない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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