Pゼロでさらに速く機敏に! マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(4) じっとり濡れたカーペット

公開 : 2024.06.01 09:45  更新 : 2024.06.19 13:57

より速く、より軽くを追求してきた、マクラーレン最新のアルトゥーラ 普段使いで新たな発見はあるのか V6ハイブリッド・スーパーカーの実力を長期テストで確認

積算7919km 720 Sのオーナーの元へ

筆者には、歴代のマクラーレンを乗り継いできた、幸せな友人がいる。570 GT、675 LTを経て、現在は720 Sのオーナーだ。長期テストでお借りしている、アルトゥーラを試乗してみたいと考えても、不思議ではない。

というわけで、彼が所有するポルシェ911 Rと少し交換してみた。次の週末、彼へ感想を聞いてみる。「アルトゥーラは、とても印象的でしたね。運転しやすいし、とても速い。720 Sほどのパンチ力はないようですが」

マクラーレン・アルトゥーラと、友人のポルシェ911 R
マクラーレン・アルトゥーラと、友人のポルシェ911 R

彼の意見を否定はしない。そして、限定仕様の911 Rは最高に素晴らしかった。

積算8370km ひたすら雨が続いた2024年の冬

ここ数週間で、マクラーレン・アルトゥーラには2つの変化があった。1つ目は、以前から計画していたこと。もう1つは、まったく予期していなかったことだ。

2024年の冬は特に雨が多かったとお感じなら、それはグレートブリテン島の南西部、南ウェールズ地方に住んだことがない人だろう。南米チリのアタカマ砂漠が極めて乾燥しているのと同様に、この土地の冬は非常に雨が多い。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

春が来るまで、ひたすら雨が続いた。英国で少数が生産される、エキゾチックなハイブリッド・スーパーカーも、その雨に当たり続けた。屋根のある駐車場は、残念ながら筆者の敷地には存在しない。

じっとり濡れていた助手席のカーペット

ある日の朝も、目的地へ向かおうとアルトゥーラのガルウイングドアを開いた。フロントガラスには、例によって細かい水滴がついている。指を伸ばしワイパーを動かすものの、視界は殆ど変わらない。

おかしいな、と思い、もう一度ワイパーを試すが変化なし。ワイパーブレードの不調かな?と一瞬思ったが、それでも水滴は拭えるはず。そして、その時初めて、フロントガラスの内側が湿っていることに気がついた。

マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)
マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様)

予定があった筆者は、アルトゥーラの強力なヒーターとベンチレーションを利用し、とりあえず水滴を乾かした。1分もかからない。その時は、今日も湿気が多いな、と感じた程度だった。

ところが2日後、再び大きなフロントガラスは曇っていた。これはおかしいぞ、と思い、車内を観察する。助手席側のフロアカーペットを触ってみると、じっとり濡れている。これが車内の湿度を上昇させていたのだ。

しかし、カーペットが濡れるには何か原因があるはず。アルトゥーラは、以前からの計画通りディーラーへ持ち込む予定になっていた。調査をお願いするのに、丁度いい機会といえた。

マクラーレンのスタッフは、サイドウインドウが空いていたのでは、と濁すこともできただろう。しかし、流石というべきか、しっかり原因を解明してくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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