不要になった妻のモモヒキ サーブ9-3 コンバーチブル シートヒーター修理にまつわるアレコレ

公開 : 2025.03.26 19:05  更新 : 2025.03.27 11:45

2018年から英編集部の1人が大切にするサーブ9-3 コンバーチブル 滑らかに回る4気筒の低圧ターボガソリン 錆の修理代で別のサーブを買える現実 新車の残価設定金額より維持費は安い

滑らかに回る4気筒の低圧ターボガソリン

手っ取り早いのは、妻に厚手の股引きを履いてもらうことだった。しかし、それでは彼女の理解は得にくい。助手席側のシートヒーターを修理するのが、正しい手段だ。

すっかり数が減ったサーブ9-3 コンバーチブルだが、イーベイを検索すれば中古のシートが出てくると考えた。むしろ、ヒーターだけの交換で直る可能性は高そうだった。

サーブ9-3 コンバーチブル(2008年式/英国仕様)
サーブ9-3 コンバーチブル(2008年式/英国仕様)

2代目9-3 コンバーチブルを、筆者が購入したのは2018年。実は過去にも、AUTOCARでご紹介している。当時2300ポンドで売られていた中古車で、8万kmほど距離を重ねたが、今まで1度も深刻な状況には陥っていない。

もっとも、古いクルマを愛する人は、多少の故障へ目をつぶれる傾向がある。実際には、燃料ポンプが外出中に故障している。それは、部品交換だけで済んだ。

4気筒の低圧ターボガソリンエンジンは、滑らかに回り燃費が良い。オートマティックも快調。パワーステアリングは油圧で、電動ラックより好感触。購入直後から、筆者は9-3 コンバーチブルを気に入っている。

2024年の夏に、このスウェーデン車との絆は一層深まった。近所の洗車ショップへ伺うと、うっすら苔の生えたソフトトップを、15ポンドで綺麗にできるとスタッフが提案してくれたのだ。

どんな薬品で洗ったのかは不明。1時間後にワークショップへ戻ると、ソフトトップは見違えるほど輝いていた。こんなに少額・短時間で新品のようになるなら、もっと早くお願いするべきだった。

見つからない中古シート ヒーター交換に挑戦

ところが、シート探しは空振りに終わった。少なくともイーベイには、筆者のクルマと同色のシートは出品されていなかった。仮に見つかっても、シートヒーターが完調かどうかはわからない。

その後、インターネットでサーブ・マニアによる情報を調べてみた。背もたれと座面部分へヒーターは内蔵されているが、直列で結線されており、片方が壊れるともう一方も熱くならなくなるらしい。最終的に、両方のヒーターユニットの購入を決めた。

サーブ9-3 コンバーチブル(2008年式/英国仕様)
サーブ9-3 コンバーチブル(2008年式/英国仕様)

背もたれ用のヒーターは、簡単に見つかった。他方、座面用は入手が難しい。恐らく、座る人の体重でかかる負荷が高く、壊れやすく、需要も多いためだろう。サーブ9-5用のヒーターが適合することを祈り、取り寄せることにした。

ユーチューブを検索すれば、交換手順の動画が大概はアップされている。ただし、公式なマニュアル等とは異なり、その殆どはクルマ好きの一般人が試したもの。必ずしも、同じ手順で成功するとは限らない。

ある投稿者は、アングル・グラインダーでシフトノブの取り外しを試みていた。ノブは外れたものの、内装に傷を付けていた。内装パネルを外す方法は別の人が投稿していたが、子どもが騒がしかったのか、途中で動画は終わっていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    コリン・グッドウィン

    Colin Goodwin

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×