text:Yumihiko Yazawa (矢沢弓彦) photo: Naohiro Takahashi (高橋尚浩)、Shinji Uehara (上原晋史)、Yumihiko Yazawa (矢沢弓彦)
1991年に始まったコッパ ディ 小海は、日本で最も古くから続いているヒストリックカーのための公道ラリー&ヒルクライムで、今年で25周年を迎えた。イタリア北部のアルプスに連なるコルチナ・ダンペッツォで’50年代まで開催されていたコッパ ドーロ デレ ドロミテという険しい山岳コースを走るレースを模範としたマウンテン・ラリーだ。松原湖高原の標高1400mに位置する小海RE-EXホテルをスタート&ゴールとして、八ヶ岳の周囲を駆け巡るルートが組まれている。
コッパ ディ 小海の特徴のひとつは、参加者と参加車両の質が極めて高い事だろう。日本の愛好家を代表されるような小林彰太郎さんも、単なるひとりのエントラントとして毎年、参加されることを楽しみにされていたイベントだという。
今年も地上からは隔絶されたハイランドに、精鋭とでも呼びたいような粒揃いのクルマと愛好家が集まった。長い年月のうちに、本当にこのイベントを愛する人だけが集まり、そのような賛同者に支えられて運営されている。言わば、アマチュアのアマチュアによるイベントで、欧米で長く続いているクラシック・イベントと精神を同じくしている、と思われた。
また、景色の美しさも特徴のひとつだろうか。八ヶ岳の周辺は、ワインディング・ロードが続き、また信号も少ないのでドライビングがとても楽しめる。走りながら新鮮な空気を思い切り味わえて、また、次々と繰り広げられる景色も飽きない。
そして天候の変化も特徴のひとつだ。標高の高いところではまだ雪が残り、下に降りてくると桜が咲いている。それどころか、4月の半ばでも時には雪が降ることもある。現に今年も開催前日の金曜日には雪が舞っていた。そして土曜日朝のスタートの頃には霧が深くたちこめ夢幻の趣き。それが昼までには晴れ上がり、日曜日にかけて、素晴らしい天気となり、オープンカーに乗った参加者は、けっこう日焼けをしたほどだ。
さまざまな魅力が尽きないコッパ ディ 小海は、これからも全国の愛好家たちに支えられて、末永く続いて行くに違いない。
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土曜日朝のスタートの時点では霧が深くたちこめ、下界とは遮断された夢幻の趣きがあった。
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雨までは行かないが濃霧が路面を濡らす。この幽玄さがイベントの初日をさりげなく盛り上げてくれた。
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スターター・フラッグを振り下ろす役は、地元小海町の小学生たちが担当してくれた。
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小海には新旧様々なモデルに加え、’50年代のイタリア製小型レーシング・スポーツが数多く集まる。
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近年は356を始めとするヒストリック・ポルシェのエントリーが増えてきたのが特徴。
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今回は25回目の開催となるため、特別なデザインが施されたクレデンシャルとミネラルウォーターを用意。
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マニアックなクルマが集うイベントながら、アットホームな雰囲気を失わないのが小海の良いところ。
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他ではなかなか見られないパナールやルネ・ボネ、マートラ等のフランスの小型スポーツカーも集結した。
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土曜の夜は小海リゾートシティー・リエックスでナイトパーティが行われ、クルマとラリー談義に盛り上がった。
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大人の趣味人のためのナイトパーティでは、真路まなみさんと高橋実花さんによるシャンソンとカンツォーネを披露。会場は華やかな雰囲気に。
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2860ポイントを獲得して総合優勝を果たしたゼッケン38のチームには、趣味人から熱い支持を得ているクエルボ・イ・ソブリノスの腕時計が贈られた。
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#01 1922年 ブガッティ T13ブレシア
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#02 1925年 ブガッティT35A
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#03 1926年 ブガッティT43
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#04 1934年 ブガッティT57
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#06 1949年 ヒーレー・シルバーストーン
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#07 1958年 ロータス7 Sr.1 コヴェントリー・クライマックス
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#08 1950年 シアタ750S MM
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#09 1952年 スタンゲリーニ 750S
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#10 1952年 エルミーニ 1500S
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#11 1948年 チシタリア 204
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#12 1948年 チシタリア 202SC
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#13 1949年 シアタ・アミカ
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#14 1953年 フィアット 750 ザガートMM
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#15 1952年 パナール・ディナ・アレマーノ
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#16 1953年 DB HBR
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#17 1963年 ルネ・ボネ・ミサイル
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#18 1965年 マートラ・ボネ・ジェット
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#19 1967年 フィアット850スパイダー
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#20 1967年 フィアット・ディーノ・スパイダー
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#21 1969年 ディーノ206GT
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#23 1975年 ランチア・ストラトス
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#24 1957年 ランチア・アウレリア B20
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#25 1954年 フィアット1100TV ピニンファリーナ
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#26 1963年 フィアット・アバルト 850TC ニュルブルクリンク
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#27 1960年 アルファ・ロメオ・コンレロ
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#28 1961年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ SZ
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#29 1962年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ SZ2
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#30 1964年 アルファ・ロメオ・ジュリア TZ
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#31 1964年 アルファ・ロメオ・ジュリア SS
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#32 1960年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
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#33 1959年 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
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#34 1966年 アルファ・ロメオ・デュエット
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#35 1956年 ポルシェ356 スピードスター
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#36 1953年 ポルシェ356
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#37 1966年 ポルシェ911
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#38 1969年 ポルシェ911E
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#39 1972年 ポルシェ911T
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#40 1954年 オースチン・ヒーレー 100
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#41 1958年 オースチン・ヒーレー・スプライト
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#42 1960年 オースチン・ヒーレー・スプライト
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#43 1959年 オースチン A35
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#45 1955年 アストン・マーティン DB2
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#46 1959年 MG-A
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#47 1968年 MG-B
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#48 1973年 GTM
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#49 1964年 ロータス・エランS2
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#51 1971年 ルノー R8 ゴルディーニ
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#52 1963年 ランチア・フルヴィア・ベルリーナ 2C
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#53 1972年 シトロエン SM
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#55 1970年 マツダ・コスモ・スポーツ
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#56 1967年 パナール 24BT
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#57 1929年 サルムソン GS8