社会人1年目、ポルシェを買う。
2017.02.05
第45話:エンジンがカラカラ鳴る別の理由? ポルシェ・センターに聞いてみた。
第44話の最後で触れたW103キャンペーンとは、
エンジン・フードの裏側、
パネルを折り返して合わせている部分を
錆びにくくする保護剤を塗布してもらうというもの。
ほとんど錆びることはないものの、
予防措置としておこなうのだそうだ。
さて、仮にO2センサーが異常ならば、
アラートが出てもおかしくない時間である。
どきどきしながらコンピューターを覗き込む……。
異常なし! 合格発表みたいにドキドキしてしまった。
ひと安心だ。
コンピューター・リセットをしたあとは、
しばらくアイドリング付近でハンチングが起こる
(回転数が上下する)ことがあるが、
コンピューターの学習でなくなるのだそうだ。
が、まだまだ安心できない。
シャカイチ号をリフト・アップして、
車体底面を隅々まで目視することで
‘本当に無事故なのか?’ を
チェックしてもらわなくてはならない。
買ったクルマがじつは、
過去にひどいダメージを受けていたら最悪だ。
仮にぶつかっていて、それを修復していると、
オリジナルの表面コートではなく、
ほかの表面コートが吹きつけられるわけだから、
それが事故車か無事故車かの目印になるという。
こちらもオリジナルのコートのまま。
さらに、ショック・アブソーバーを換えた形跡もなく
丸っとそのまま、98年の生産当時のものだった。
気になっていたところが、あとふたつ。
エンジンが完全に温まった状態かつ、
アイドル時に、リア・マフラーのあたりから
何かが干渉して振動するような
ビビリ音が、ごくたまにしていたのだ。
排気ガスを少ないものに浄化する役割の
キャタライザーが劣化して、
ケースのなかで暴れているのでは? と思っていたが、
メカニックの方の経験則では
「どうも、その類ではなさそう」とのこと。
マフラーを固定している円状のステーか、
あるいはステーの内側、排気管のつなぎ目が
劣化して ‘ビビっている’ という推測だった。
原因を調べることもできるけれど、
そのためにはエグゾーストを
ある程度バラす必要があり、
バラしたあとだと、仮に排気管の継ぎ目が
完全に腐食していた場合に、
新品に換えなければならない。
よって、ビビリ音が常にするようになって
もう一度、今度はバラして原因究明することにした。
そしてもうひとつ。
バンプが多い峠道をそこそこの速度で
1時間程度走り終わったあとに、
ゆっくりと段差をこえると、コツンと
前の足回りから音がした(ような気がする)。
リフト・アップした状態でフロントの足回りを
叩いてみたり揺さぶったりして調べてみたが、
何かが遊んでいるようなこともなかった。
こちらも、常に音がしているわけではなく、
また本当に音がしているかどうかも怪しいので、
もう少し観察してみることにした。
正直に申しあげよう。
ポルシェ・センターに入庫すると、
隅々まで新品パーツに交換しなければならなくなると
思っていたから、かなり拍子抜けした。
(もちろん予算が有り余っていたら別だろうけど)
また、症状を言うだけで、
即座に原因を推測してくれる
経験則の豊富さにも感心しきりだった。
ディーラーならではの安心感やホスピタリティも
とても居心地よく感じた。
以下はいただいた見積書。
現状、致命的な故障はないのだけれど、
もし、隅々まで完ぺきのコンディションにするとしたら
将来的には直す必要がありそうなところを
ピック・アップしていただきました。
実際、ブレーキ・パッドなども、まだまだ余裕があるんですけどね。
赤で囲まれたところが、こんかい作業した部分です。
「街の中古車屋さんで見つけたんですよね?
かなりアタリだと思います。
だってすべてオリジナル。」
なにより、正規ディーラーで、
お墨付きをもらったことが、
いちばんうれしかったのだった。
もう、ポルシェ・センターは怖くない。
第46話:「社会人1年目、吉田匠さんのポルシェ356に乗る。」は、後日公開予定。
※今回も最後までご覧になってくださり、
ありがとうございます。
ディーラーに入庫することは
とてもとても緊張したけれど
いまはもう、けっこう平気。
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