クルマ漬けの毎日から
2017.04.23
ベントレー・ベンテイガ フルスロットル体験記
ともかく、ようやく究極の動力性能をすべてテストすることができた。どこで行ったのかは言えないが(他のメーカーの敷地)、驚くべき体験をした。なんといっても素晴らしかったのは、発進だった。ドライバーはできるだけ速く右足を動かし、賢い4輪駆動を作動させながら、舗装道に608psの出力をかける。実際に経験しなければ信じられないほど、驚異的な発進だった。
4輪すべてのタイヤからスキール音が聞こえた直後、猛烈な勢いで水平線に向かって発進した。0-97km/h加速といえば、ジャーナリストのジョン・シミスターがあるクルマの0-97km/h加速をレポートした時に、「このクルマは目指す速度にゼロから一気に到達し、その間の速度はいっさい存在しない」と書いたことは有名だが、ベンテイガの発進もまさにこの言葉どおりだった。
さらにベンテイガの場合は、フル加速時も洗練された状態を維持し続ける。とんでもなく速いが、全般的に静かだ。8速ギアボックスは6500rpmでスムーズにギアチェンジし、正確にパワーとトルクを伝達する。時速140mile(約225km/h)のフルスロットル走行を二度行ったが、その後はすぐに何もなかったかのように静かに走り続けた。現代のベストカーの非常に優れている点がここにある。とんでもないことが、ごく普通にできてしまうのだ。
translation:Kaoru Kojima(小島 薫)