社会人1年目、ポルシェを買う。

2017.11.21

第55話:あなたのポルシェに乗せてください!(笹本編集長の930 SC編)

まるで違う930と996の動き

キューサンマルの動きは
最初のコーナーからまるで違った。
ステアリングを切っても
うまく向きが変わらないのである。
かといって、いつもより大きく切れば
曲がるというわけでもない。
切りすぎれば、リアが手におえなくなる予感が
ピリピリと伝わってくるのだ。

最初は肩から力を入れてグイグイ切り込んで
曲がっていったが、それでも曲がりづらい。

結果的に、シャカイチ号よりも手前で
ブレーキを踏んでしっかり準備をする。
それからステアリングを切るというより
コーナーの外から峰にむかってまっすぐ入り
たとえば左コーナーなら右後輪に
右コーナーなら左の後輪で蹴りだすようにして
ハンドルに頼らないままに抜けだすのが
自分でもラクだったし、
クルマもピタッと動いているような感覚があった。

曲がるためにステアリングを切るのではなく
曲がるキッカケを作るために
チョコンとステアリングを切るという感じだ。

ハンドル操作でどうにかなっていたぼくの996とは
まったく違う感覚だった。

身近なところでいうと
スーパーのカートも
(あれは厳密にいうと「リア操舵」か)
うしろでグイッと勢いをつけて
前でチョコンと向きを変えるキッカケを作っている。
(スーパーでそんなことを考えているひと
 いないとは思いますが)そんなイメージだった。

とにかくヒリヒリとしていた。

「はい、じゃああとは任せました」
といわれたあとで、
「ここから先は失敗しても自己責任ね」
と言い放たれているようだ。

一瞬、戸惑うのだけど、
そういうのって燃えるのである。
結局伊豆スカイラインを3往復した。
最後はわりといいペースだったと思う。

これ以上乗り続けるとミスするな
という直感があった。

自動販売機を見つけて、
クールダウンのために飲みものを買った。
しばらくしてドアを閉めた瞬間に、
初めて自販機がファンで唸っていることを知った。
それくらいに室内はピンと張りつめた静けさだった。

どうやら、そうとうワルイ体験をしたみたいだ。

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 この写真は991と930。
 30年以上も年が違うのに、
 よく似ていますね。
 注意してみるとあたらしいほうは
 窓の幅も上下に薄くなっています。

 だけど
 Cピラーからリアフェンダーへの膨らみは
 356とも996ともおんなじですね。
 マカンもパナメーラ・スポーツツーリスモも
 おんなじです。

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