クルマ漬けの毎日から

2018.01.20

進化、標準化、また進化 クロプリー編集長コラム

車高が高くないランドローバー

 
しかし驚いたのは、ヴェラールを素晴らしいクルマだと思いながらも、欲しいとは思わなかったことだ。このクルマは高さがないので、視界の良いドライビングポジションを得られない。このことが、ヴェラールを欲しいと思わなかった決定的な理由になったようだ。試乗を終えた時にも、クルマから “下へ降りる” というよりも、単にクルマの “外へ出る” という感覚だったことにもがっかりした。

 
こういった必携な要素が備わっていないにもかかわらず、これほど大きいホイールとタイヤが本当に必要だろうか。ヴェラールのドライバーは、濡れた草の上のほかにはオフロード走行はほとんどしないだろう。たとえ洗練された四駆であっても、大型で重いホイールはサスペンションのコントロールがむずかしい。もしランドローバーが低いクルマを作りたいのならば、セダンを作るべきかもしれない……。

 
家の近所の飛行場で撮ったこの写真をご覧いただきたい。新型ヴェラールがメルセデス・ベンツSクラスの横に停まっている。ヴェラールはお洒落なメルセデスと比べても、やはり高さがない。初試乗で感じたことは正しかったようだ。車高が低ければ、SUVとしての存在理由がなくなってしまうと思う。そう思うのは、わたしだけかもしれないが……。

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)


 
 

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