社会人1年目、ポルシェを買う。
2018.01.21
「社会人1年目、ポルシェを買う。」の上野太朗です。ありがたいことに、ランボルギーニでサーキットを走るという貴重な経験をしました。そのあとシャカイチ号が壊れました。ふぅ。
第56話:ランボルギーニで富士スピードウェイを走る。
いざ富士でランボを!
おい、太朗よ。
ランボルギーニのサーキット取材、いってくれるか?
「ランボルギーニ」と「サーキット」。
魅力的な2語だけでふたつ返事をした。
ジャーナリストのかたにレポートしてもらい、
ぼくはサポートしながら「あの音」を聞ける。
最高じゃないか!
当日を楽しみにしていたら、なんと2日前に
「ぼく自身」がドライブすることが判明した。
むろんクルマの評価はジャーナリストがするのだけど
イベント全体がどんなものかをレポートするためには
主役(=ランボルギーニのサーキット試乗)の体験が
いちばんというわけで試乗枠を用意してもらったのだ。
しかし富士スピードウェイの本コースを走るのは初めて。
ウラカンだって公道で10kmくらいしか乗ったことがない。
というわけで、びくびくしながらサーキットに行った。
行ったらもっとびくびくするようなことだらけだった。
このイベントのエントラントは、
ランボルギーニのオーナーやオーナーになりそうなひと。
だから駐車場にはランボルギーニはもちろんのこと、
そのクラスのライバル車たちがひしめいている。
それだけで腰が引けてくるのに、会場につくと
これがなかなかもっと腰が引けてくるのであった。
低音が響く場内のBGM、ちょっと怖そうなひとも。
映像カメラマンはスケートですべりながら撮影している。
極めつけはコミュニケーションの主体が英語であること。
そして思いだす。僕はこれからランボルギーニに乗るのだ。
それだけではない。はじめての富士スピードウェイの走行。
貴重な体験であることは間違いない。
しかし、帰りたくなってきたぞ……。
なんて思っているあいだに、
まずは座学(伊語/英語の通訳つき)がはじまり、
あっという間にサーキット走行の時間になった。
「準備はOK?」
「まずはついてきてね」
「徐々にペースをあげてね」
無線で指示が飛んでくる。そして気づく。皆、速い……。
僕のグループは中国の顧客が数名とジャーナリストたち。
(当然だけれど)皆、走ると速いのである。
置いていかれる……。3ラップ。
オーバーテイクなしだったので
ビリになることはなかったけれど、
決して速い走りではなかったと思う。
だいたい、あんなにだだっ広いコース、
どこを走ればいいのやら。と思った。
「太朗くんさ、白のウラカン・ペルフォルマンテだった?」
声をかけてくれたのは、
ジャーナリストの吉田拓生(たくお)さんだ。
富士だってイヤというほど走っているベテランだ。
「このコーナーは、こんな感じでラインをとりがちだけど、
いったん外にでてリセット、で、イン側に全開」といった
コースを描いた紙に、理想のラインをペンで書いてくれる。
できるかぎり頭に詰めこんで、もう1セット。
さらに1セットと、くり返し走り込んでいく。
タイムじたいは縮まなかったはずだけど、
少しずつコツが掴めて、ともなって速度もあがる。
それでも少しずつインストラクターからは離される。
それにじわりと後続車両も近づいてくる。うぅむ。
「1度インストラクターの隣に
乗ってみるといいよ」と拓生さん。
というわけで、ムリいって1周だけドライブしてもらった。