社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.05.27

第64話:パナメーラに乗った日のこと。

サルーンのふりしたスポーツカー

走り終わって、ふと冷静になると
そもそも峠で元気に走れたパナメーラに
心から感心せずにはいられない。

僕は
ポルシェ ジャパンの松岡さんと
お話をするのが大好きで
よく仕事にかこつけて会いにいく。

いつも帰りの道中で
ポルシェがもっと好きになったことを
じっくりと噛みしめるのだが
(あるいは洗脳なのかもしれない!)
なかでもふたつのストーリー聞くのが好きだ。

事あるごとに松岡さんは
911やケイマンたちはもちろんのこと
パナメーラもマカンもカイエンも
「あれはサルーンやSUVのかたちをした
 スポーツカーなんです」という。

スポーツカーの定義ってさまざまだけど、
自分のからだの一部のように
望むとおりの動きを自然にしてくれることは
スポーツカーといわれるクルマの共通点だろう。

パナメーラは定義にぴたりと合っていた。
4枚ドアの4人乗りというパッケージが
ちょっとあのクルマをややこしくしているだけで
パナメーラは実際、純粋なスポーツカーだった。
腕におぼえのあるひとならば、
自在にドリフトすることだって絶対にできる。

「スポーツカーへの憧れをもったひとが
 家庭などの環境のせいで妥協する必要がない
 ということもポルシェは目指しています」
とも松岡さんは言っていた。

そしてもうひとつの興味深いお話。

「ポルシェの技師は、
 水冷だとか空冷だとか
 そういった『区分け』を意識しないのです」
というもの。

念のため言っておくけど
「どうでもいい」というわけではない。

ただし「そのときどきのベスト」であれば
どんな形であれパワートレインであれ
迷わずに採用するというのである。
スポーツカーを作るという目的を果たすために。

パッケージやパワートレインを
気にしすぎているのは
あるいは僕たちのほうなのかもしれない。

「子どももいるし、荷物も多いので
 パナメーラを選ばざるを得ませんでした」
と後ろ頭をかきながら、
でも心のなかではニンマリしている。
将来の自分がそうであればいいなぁと思った。

ポルシェはスポーツカーメーカーなのである。

※今回も最後までご覧になってくださり、
 ありがとうございます。

 あたらしいポルシェはすごかった。
 でも、古いポルシェの味わいにも
 今はとても惹かれています。

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 もちろん、なんでもないメールだって
 お待ちしております。

 
 

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