社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.08.26

皆さん、こんばんは。「社会人1年目、ポルシェを買う。」の上野太朗です。ところでわたし、生まれも育ちも九州。海のすぐそば、峠もすぐそこ。そんなところで育ちました。そしてそこには、よき兄貴がおりました。帰省中の今、兄貴に大いなるヒントをもらったのです。

第72話:男は決めるよ。(望郷篇)

photo:@masamaxy

もくじ

大きくも小さくもない街で
ガレージ、という男の夢
先輩の言葉にヒントがあった

大きくも小さくもない街で

いつのことだったかなぁ。
書いたか書かなかったか、さだかではないけれど
ぼくは、九州の大きくも小さくもない街で育った。

たいていのひとがそうであるように、
そこには、よいことも、そしてわるいことも
まるっと教えてくれる「兄貴分」がいた。

兄貴分は、趣味をそのまま仕事にした。
インターネットという世紀の発明が追い風に。
仕事の幅は大きく広がった。
多くの仕事がそうであるように、
幅の広がった仕事は、べつの仕事を呼び
結果的に大きなお金を生んだ。

繰り返しになるけれど大きくも小さくもない街だ。

いざ、大人になって
(あるいは大人になったつもりで)
東京という場所から兄貴分の仕事を見ていると
いささか先端から一歩遅れているようにも見える。

けれど、
東京から大いに離れた、もはや地の利を活かした
密着型の発想で「成功」につぐ「成功」を重ねる。

お金を稼ぐと、クルマを買いたくなる。
もっとお金を稼ぐと、もっと買いたくなるものか。
クルマが増える。増えるクルマを駐める場所がいる。

ひと握りのお金持ちが六本木ヒルズの
あるいは虎ノ門ヒルズの地下駐車場で
(べいしぇらとんでも、みっどたうんでもいい)
愛しいクルマを休ませるように、かの男も、
その地域では有名なホテルの地下駐車場を契約し
趣味のクルマを何台か休ませていた。

かの男は、ふと思った。
地下駐車場には、家からクルマで行かねばならぬ。
どうせなら朝起きて、いやコーヒーを飲みながら
なんならディナーをしながら、愛車を眺めたいぜ。

ガレージだ。ガレージつきの家だ。

そして建てた。
建てたら舎弟に見せてやろう。

「太朗よ。地元に帰っているなら見せてあげよう」

へいっ! 兄貴!
というわけで帰省中の僕はそのガレージを訪ねた。

 
 

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