社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.11.08

第81話:ポルシェ964のティプトロを見にいった。

回るエンジン、回らぬエンジン

そのクルマはキレイだった。
フロントに飛び石の跡がパチパチとあるけれど
そういうののほうが走っている感じがして好きだ。

先週乗った「930ふう」のモデルと比べると
インパネの配置とかドアパネルのレバーの位置とか
そういうのがそっくりだけど、
あらためてデザインが見直されていると思った。
シートはピンと張っている。けっこう硬いかんじ。

エンジンをかけると、けっこう大きい音がした。
全部がノーマルだったけれど、それでも
ずろろろろろんと、お店の壁に反響した。
試乗はさせてくれなかった。(そういうものです)
空ぶかしさせてもらうと
もわーんとエンジンが回った。
力強いけど、もわーん。
マニュアルだと、そんなことはないと思った。
反面、ゆったりと走るならばこれもこれでいいと
心の中でイメージが広がった。

「エンジン、きちんと回してあげるまでは
 最初は回りづらいものが多いんです、ティプは」

「たとえばお医者さんなどの奥さん。
 いわゆるマダムですね。お買い物なんかに使う
 そういうクルマが多いのもまた事実です。
 ティプトロの導入で一気に裾野が広がりました」

このお店をひとりで切り盛りする、
小柄ながら筋肉がすごいKさんの言葉である。

「ただ、
 そういうクルマには注意事項があるんです」
Kさんは僕に教えてくれた。

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