社会人1年目、ポルシェを買う。
2019.03.21
第91話:ポルシェ930、結局どこを整備すべきなのか。
ミッションをチェック
つづいて、ミッションのチェックだ。
箭内さんと同乗走行してチェックした。
ちなみに930型の911 SCには、
「915型」ミッションが採用されている。
930型911には、
・915型
・G50型
・930型
の3種類にくわえ、
スポルトマティック(905型)が存在する。
915型はナロー時代の911から引き継がれる。
もともとは4速のものも存在していたが、
僕が乗っている911 SCがくわわってからは
マグネシウム製からアルミ製の5速になった。
素材変更はトルク強化に耐えるための措置。
「ポルシェシンクロ」を備えることが特徴で、
1987年、G50型に切り替わるまで使われた。
もうひとつ豆知識だけれど、
915型ミッションの操作感が
「はちみつを棒で掻き回すような」
なめらかなものであるのに対して、
G50型がぽきぽきした感触になったのは
ポルシェシンクロではなくなったからではなく
シフトのリンケージの取り回しが変わったから
ということである。へぇ〜。
で、ミッションが健康かどうか、である。
結論からいうと「まだまだ使える」とのこと。
100点満点を狙うならばOHの選択肢もあるが
(ここはもう、ひとそれぞれ(あとは予算))
世の中には、あらゆる段でギア鳴りするなど
これよりもひどい状況のものもあるのだそう。
4速で高速巡航すると、ぐわぁんぐわぁん、と
回転数依存で波長が変わるような音については
おそらくベアリング周辺の問題だと聞いた。
しかし(繰り返しになるけれど)現状では
古いタイヤゆえノイズが大きすぎ精査できず。
いずれにしても直すのはオーバーホールの時。
だからこれも「とりあえず様子をみる」方針。
もう1点気になっていた、
たとえば信号停止の手前で、次の発進に備え
速度が落ちきる前に1速に挿入するときなどに
「ギコっ」とギア鳴りする傾向は、
どのモデルでも同じことなのだそうだ。
きちんと静止して、
ニュートラルから、やや2速をなめて1速へ。
発進はクラッチペダルを離し
(アクセルペダルを踏まず)発進がベスト。
3.0ℓエンジンは低速でも粘ってくれるから、
1速はほどほどに2速にインサートして、
そこからふわりと加速していく。
なんのこともない、ふつうの発進である。
どうして昔の自動車雑誌が、
あんなに魔物を従えるかのような
(あるいは特別な儀式を要するかのような)
書き方をしていたのかが僕はよくわからない。
あるいはナローだと、ぜんぜん違うのかしら。
そのへんは追って体験してみたい。