社会人1年目、ポルシェを買う。
2019.06.08
第94話:運転がへただと言われたくない、それに傷つきたくない。
どんなメニューだったかというと‥‥
僕が参加した日は、
なかなかアグレッシブな参加車が並んだ。
「川端くん、きほんのレッスンだよね‥‥」
いきなり怖気づいた僕は、そう聞いた。
だって、置いてけぼりとか嫌だもの‥‥。
「太朗くん、安心して、大丈夫!(笑)」
ほんとかなあ‥‥。
(ハイエースや軽自動車で参加しても
受け入れてくれるとのことだ)
メニューは
大きくわけて3つ用意されていた。
まず午前中は、ストレート全開→
フルブレーキング→指定の位置で静止。
これをひたすらやりつづける。ただひたすら。
朝8時に始まったレッスンの、午前すべてを
このレッスンに費やすのである。ひたすら。
最初にそう聞いたとき、僕は驚いたし、
これなら僕だってできそうだと思った。
しかし実際にやってみるとじつに難しい。
スピードが乗りすぎると指定の枠を超える。
ブレーキがおそすぎても指定の枠を超える。
だったら一気にブレーキを踏めばいい?
一気にブレーキを踏むとロックしてしまう。
枠に収めるために、早めにブレーキを踏むと
こんどはスピードを殺してしまうことになる。
こんなにむずかしいとは‥‥。
細川先生はクルマのノーズの挙動を見ながら
「上半身がこわばっています! リラックス」
といったアドバイスから
「リズムはOK! 少しずつペースをUP!」
といったアドバイスまでじつに細やかだ。
ひたすら地味な練習を続けるのには
わけがあるという。