社会人1年目、ポルシェを買う。
2019.06.08
第94話:運転がへただと言われたくない、それに傷つきたくない。
すべてはブレーキングが支配する
「サーキットを速く走るためのコツは
ブレーキングにあるのです」(細川先生)
「あらゆるコーナーを制服するには
ブレーキでクルマを支配下におく
『きちんとコントロールできる』
というのは、これがすべてといってもいい」
いかに速いクルマに乗っていても、
そのクルマを支配下に置けなければ
クルマは思わぬ動きをして、結果、ロスする。
ブレーキングこそ支配するためのキーとなる。
ひたすら繰り返した練習が活きるのは
午後の2つのメニューだった。
1つめは、1種類のコーナー。
もう1つは、
曲率ちがいの計3つのコーナーを含む
特設コースだ。(パイロンで形作られる)
それぞれのコーナーの攻略法は
実際に参加して学ぶことを強く勧めるが、
それぞれのコーナーを攻略するキーは
適切なタイミングでブレーキを踏みつつ
操舵をして向きを変えて、脱出していく。
ここで雑なブレーキングをすると、
クルマの挙動を変えるのにも
脱出をするのにもロスしてしまうのである。
逆に、ブレーキで姿勢を整えられていれば
一連の流れが、かんたんにできてしまう。
「たとえばハンドルを『1』切るなら
アクセルは『9』踏む。『2』なら『8』」
ようするに、いちどに制動/操舵/加速を
フルでやってしまうとクルマは破綻するから、
それぞれの動作が「足して10」になるよう
こまやかに、そしてなめらかに操作する
というアドバイスは川端くんの言葉だけれど
これが実践できるようにするには
まずは4つのタイヤがフラットな状態で
ブレーキングをどれだけ精密にできるか
というのがとても大事なのである。
そして午後になって
午前中、ストレート→停止のレッスンを
ひたすらやりこんだことが活きるのだ。