社会人1年目、ポルシェを買う。
2020.03.07
「社会人1年目、ポルシェを買う。」の上野太朗です。シャカヨン号(ポルシェ911 SC)が直ってひと安心。ジャーナリストの吉田拓生さんと長野県南佐久郡の氷上ドライビングを体験し、気付きがありました。
【社会人1年目、ポルシェを買う。】第106話:氷のうえで「運転のきほん」を学んだ日のこと。
もくじ
ー あれ、ぼくは遅いぞ。
ー 教習車はBMW 3シリーズ
ー ここまでハンドルが意味をなさないものか
ー 法則がわからなければサーキットはムリ
あれ、ぼくは遅いぞ。
そもそもの始まりは、ジャーナリストの吉田拓生(たくお)さんと交替でハンドルを握りながら、とあるクルマをテストしていたときのことだった。
同じクルマ/同じ条件なのに、吉田拓生さんが運転するほうがコーナーのスピードが明らかに速い。感じるGもまったく違った。
このことを率直に伝えると、吉田拓生さんはこう言う。
「コーナリングのスピードは、たしかに違うね。しかしそればかりに気を取られては、いけないよ。いちばん違うのはコーナーに入る前の姿勢だよ」
「コーナーの入り口で姿勢が整ったうえで、ちゃんと前タイヤに荷重が乗って『捉えた』という感覚とともに姿勢が決まっていたら、そこから先、ほぼフルスロットルでコーナーを抜けられるんだよね」
この言葉をどれくらい反芻したか、わからない。それでも拓生さんが言っていたことが、きちんと理解できていなかった。
程なくして誘いがあった。
「今度、八千穂レイクに行こう。そこで氷上試乗会をやっているからさ。アライモータースポーツが主催でね」
朝3時30分に家を出発して、拓生さんと長野県南佐久郡へ向かった。