クルマ漬けの毎日から

2020.12.19

最新のアバルト595スコルピオーネオーロに試乗したクロプリー編集長。AUTOCARの評価基準ではベスト・ホットハッチに選ぶことはできませんが、遠回りルートで帰宅したほど、このアバルトを気に入っています。

【クロプリー編集長コラム】アバルト595の最新限定車「スコルピオーネオーロ」に試乗

もくじ

「評価基準」と「現実」の板ばさみ
「一心不乱に走る」アバルトを楽しむコツ

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

「評価基準」と「現実」の板ばさみ

秋に入り、移動のクルマとして選んだのは、価格3万ポンドのアバルト595スコルピオーネオーロである。

フィアット500をベースとしたアバルトは、かれこれ10年以上製造され続けている。最新限定モデルのスコルピオーネオーロは出力165psを持ち、小型ロケットのように速い。

しかし、そのパフォーマンスは、私をあるジレンマに陥らせた。

どういうことかというと、アバルト595はドライバーを幸せな気分にさせてくれるが、AUTOCARが選ぶベスト・ホットハッチのトップにランキングすることはない(古さ、トルクステア、非常に硬い乗り心地がその理由)。

しかし、そうでありながらも、2度目のロックダウンの前に、595スコルピオーネオーロでイングランド南部まで往復160mile(260km相当)の取材に出かけた時、遠回りをして帰宅しようとしている自分に気がついた。

このドライブを終えたくなかったのだ。

クルマを評価するために使っている基準が、必ずしも万能ではないと思わざるを得ない状況に直面し、さてどうしたものかと思いながら、私はアバルトを走らせていた。

「一心不乱に走る」アバルトを楽しむコツ

アバルトの視点の高いドライビング・ポジションは、素晴らしい(メカニカルコンポーネントはパンダと共有)。

さらに、パッドでサポートされたシート、ブースト計、Gメーター、アルミのシフトノブとペダル、スポーツ仕様、ゴールドのホイールといったスコルピオーネオーロのすべてのハードウェアが、アバルトがどういうクルマなのかを思い出させてくれる。

普通に運転して良さを味わうクルマではなく、ハイスピードで真剣に運転を楽しむクルマ、それがアバルトなのだ。

このことを再認識するのに少し時間がかかったが、このメッセージをいったん理解した後は、595を心ゆくまで楽しむことができた。

もし個人的に手に入れたら、私はアバルト595と上手くやっていけるだろうか? きっと楽しいカーライフになると思う。

 
 

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