クルマ漬けの毎日から
2021.04.23
エリザベス女王の夫、フィリップ殿下が亡くなりました。葬儀で殿下の棺を運んだ霊柩車は、自らも関わった特注のランドローバーでした。クルマ好きだった殿下と、1950年代に誕生した「ファリーナ」との関わりをお伝えします。
【クロプリー編集長コラム】英王室、故フィリップ殿下の助言で誕生した「ファリーナ」
もくじ
フィリップ殿下 新型車に待ったをかけた!?
エディンバラ公フィリップ殿下が亡くなって以来、さまざまな追悼記事が書かれているが、殿下とイギリス車に関する素晴らしい出来事を1つご紹介しよう。
フィリップ殿下は1950年代に、イギリスの大手自動車会社BMCが製造していたオースティンやモーリスなどのデザインの改善に直接的に貢献したのだ。
バーニー・シャラット氏の著書『Men and Motors of ‘the Austin’(オースティンとそのクルマをつくった男たち)』によると、フィリップ殿下は1955年に、バーミンガム近郊にあるBMCの本拠地、ロングブリッジを訪問したという。
その際、殿下は開発中の新型モデルを数台ご覧になった。
そして、当時BMCでトップを務めていたレオナード・ロードに、次のようにはっきりと述べた。「これらの新型車が、海外メーカーと競っていけるのか、私には確信が持てません」
翌日、BMCトップのレオナード・ロードは、バッティスタ・ファリーナに電話した。あのピニンファリーナの創始者である。
その結果、数年後にオースティンA40ファリーナをはじめとする「ファリーナ」と呼ばれるモデルが、オースティン、モーリス、MGなど、BMCのさまざまなブランドから誕生したのだ。