クルマ漬けの毎日から
2021.05.09
トヨタGRヤリス、スズキ会長の鈴木修氏の引退、そしてトヨタの次世代アイゴ。この春の1週間は、クロプリー編集長にとって「日本の小型車」に親しむ日々になりました。さて、どんなことを感じ、考えたのでしょうか。
【クロプリー編集長コラム】気になる日本の小型車、トヨタGRヤリス/次世代アイゴ
もくじ
ー 月曜 トヨタGRヤリスに試乗
ー GRヤリスと共通点 あの懐かしい2台
ー 火曜 スズキ会長 退任のニュース
ー 金曜 次世代トヨタ・アイゴに期待
月曜 トヨタGRヤリスに試乗
同僚たちがいったい何を大騒ぎしているのかが、ようやくわかった。しかもそれが、もっともなことだということも。
このところ私は、トヨタGRヤリスに試乗している。AUTOCAR英国編集部の長期テスト車で、普段は同僚のマット・プライアが乗っている個体だ。
このクルマは最近のロードテストで5つ星の評価を受けたばかりであるが、何とか数日間借りることができた。
GRヤリスは素晴らしい。
このホットな小型車は、非常に多くの要素が私の理想にかなっている。サイズ、ドライビング・ポジション、そしてステアリンングフィールも非常に良く、エンジンのレスポンス、エンジン音(作りものだと言う人もいるだろうが、私は気にならない)、さらには乗り心地までも、まさに理想的なのだ。
乗り心地は確かに硬い。だが、道路の段差を越えた時も、予想していたような突き上げやノイズは感じない。
マット・プライアによると、低スペックのバージョンでは、サーキット向けのダンパーやディファレンシャルは装備されていないので、あまり尖っていないという。そういうバージョンも必要だが、私は今回試乗したGRヤリスが好きだ。
GRヤリスと共通点 あの懐かしい2台
GRヤリスに試乗したことがきっかけとなり、かつて運転したまったく異なる2台のクルマのことを思い出した。
その1台は初期のロータス・エリーゼ。このエリーゼには、とても高価で洗練されたダイナミック・サスペンションが与えられていた。今回のGRヤリスと同じように制御された硬さのサスペンションで、突き上げもなかった。
思い出したもう1台は、かつて短期間所有していた、錆びた2ドアのアルファ・ロメオ・アルファスッドTi(笑ってはいけない)。
サイズ、ステアリングフィール、クラス最高レベルにレスポンスが良く正確なパフォーマンスといった点で、今回のGRヤリスと共通点を感じ、懐かしいTiのことを思い出したのだ。
このアルファはどんな時でも、私にとって妥協のないドライブの友だった。GRヤリスもしかり。