クルマ漬けの毎日から

2021.12.28

クロプリー編集長が撮影した写真と共に、2021年を振り返ります。イギリスでは1月初旬から3度目のロックダウンが始まり、3月から7月にかけて段階的に規制が緩和されました。前編では、6月までをお届けします。

【クロプリー編集長コラム】取材を通して見た「2021年」前編

もくじ

類い稀な1年
2月 フォードCEOのモデルカー
3月 GTOエンジニアリング
6月 ポルシェ・タイカン(後輪駆動)

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

類い稀な1年

2021年の自動車業界は静かで、クルマ関連のイベントもあまり開催されなかった、などとはだれにも言わせてはならない。

実際、イギリスでは夏から秋にかけて、実に多くのミーティングやショーが開催され、また多数の団体がそうしたイベントを主催し、日常を取り戻そうと積極的に活動した。

さらに自動車業界の人々も、なんとか解決策を見出して世界を元に戻そうと、懸命に取り組んでいる。今年、取材を通して見てきたそうした人々の姿や出来事は、この先長く私の記憶に残るだろう。

しかし、いまなお自動車業界の多くは、大きな試練に直面している。

自動車販売が過去50年以上のなかで最も困難な状況にあるいま、だれも嬉しい気持ちにはなれない。

とはいえ、良い出来事もあった。

今年は、グッドウッドで恒例のイベントが開催され、ブリティッシュ・グランプリ、シルバーストン・クラシックをはじめとする多くのイベントも再開した。

新型車も発表され、電動化も急展開している(充電ネットワークの拡大に対するイギリス政府の取組みが不十分だということがクローズアップされたとしても)。

クロプリー編集長による2021年「私のカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたクルマは?

またAUTOCAR(英国版)は今年、創刊126周年を迎えた。

これまでに出版したAUTOCAR誌の総頁数は、110万頁におよぶ。そしてこの2021年に、ついにそのAUTOCARアーカイブをデジタル化し、一般公開することができた。

この2021年がどれほど類い稀な1年であったかを、私のカメラを通して振り返ってみたい。

1月 三菱L200バーバリアンX

このピックアップは、我が家にやって来た「最後の三菱」になるかもしれない。

サイレンセスターにある英国三菱の拠点の明かりが消え、三菱のインポーターもイギリスを去ることになった。

そのような状況にもかかわらず、外観以外は素晴らしい、この三菱のピックアップ「L200バーバリアンX」を私は6週間も試乗することができた。

この先きっと、このピックアップをとても恋しく思う時があるだろう。とくにこの写真のような雪の日には。

ピックアップを販売するトヨタやフォードにとっては、悪くないニュースかもしれない。それにしても、三菱がイギリスを去ってしまったことは実に残念だ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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