クルマ漬けの毎日から

2022.01.24

シトロエンの「eベルランゴ」に試乗しました。内燃機関のベルランゴを長年所有しているクロプリー編集長は、何を感じたのでしょうか?

【クロプリー編集長コラム】シトロエンeベルランゴに試乗しました!

もくじ

試乗 3日前
翌週 試乗を終えて
eベルランゴは楽しい、だが……

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

試乗 3日前

同僚の計らいにより、シトロエンeベルランゴがもうすぐ我が家にやって来る。

1週間の試乗期間中、そのeベルランゴは、私がとても気に入って18年間所有している内燃機関のベルランゴ・マルチスペース・デザイアの隣に駐車することになる。

なんとも楽しみだ。

翌週 試乗を終えて

この1週間テストドライブしていたシトロエンeベルランゴを返却した。

このEVは、これまではベルランゴのモデルレンジのなかで、単に興味深い追加モデルでしかなかった。

だが、驚いたことにちょうど私が試乗していた期間中に、このEVバージョンがベルランゴの主力モデルになるというニュースが流れた。

近い将来、ベルランゴのラインナップはすべてEVになると、ステランティスが突然発表したのだ。ベルランゴに長年親しみ、愛着を持っている者にとって、これは衝撃的なニュースだった。

eベルランゴは楽しい、だが……

eベルランゴは運転していて楽しいクルマだ。EVのパワートレインと50kWhのバッテリーを採用することによって重量配分は変化しているが、嬉しいことに運転の楽しさは変わっていない。

しかし、氷点下に近い寒さでは、その信頼できる航続可能距離は120mile(約193km)であって、発表されている170mile(約274km)は実現できない。

内燃機関のベルランゴの場合、燃料を満タンにすれば約500mile(約805km)の走行が可能で、eベルランゴは遠くおよばない。

また、ベルランゴのカタログなどではよく、家族でアウトドアを楽しめるクルマというキャッチフレーズが使われているが、現在のeベルランゴにはこの点は期待できない。

EVのベルランゴは、短距離ドライブ向きのクルマになり、別のタイプのクルマに変わってしまったのだ。

というわけで、18年間乗ってきた我が家の古いベルランゴを新車のベルランゴに買い替えようかとずっと考えていたが、この計画は実行しないことになった。旧型をこのまま手元に置いておこうと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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