クルマ漬けの毎日から

2022.06.19

BMW M社の創立50周年を祝うイベントが、イギリスで開催されました。そのイベントを挟んで前後の数日間、2台の偉大なM3に試乗しました。

【クロプリー編集長コラム】BMW Mの50周年! E30とE46のM3に試乗しました

もくじ

最初はE30 M3 ラヴァーリア
30年前のM3 どんな印象?
次はE46 M3 CSL
E46 M3 CSL 返却後

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

最初はE30 M3 ラヴァーリア

我が家の前に1台のキャリアカーが到着した。これから、BMW M3と過ごす刺激的な数日間が始まるのだ。

このキャリアカーには、1989年製のE30 M3 ラヴァーリアが積載されている。このクルマは、BMW UKが保有するコレクションの1台だ。

初代のM3はE30型で、ホモロゲーションスペシャル(レース参戦に必要な量産モデル)として製造された。また、今回お借りした「ラヴァーリア」は、M3のレーシングドライバーとして大きな功績を残したロベルト・ラヴァーリアにちなんで名づけられた限定エディションだ。

BMW英国法人が所有するE46 M3 CSLとE30 M3 ラヴァーリア

このM3 ラヴァーリアは数日間私と一緒に過ごしたのちに、近く開催される「ビスター・ヘリテージ・スクランブル」というイベントで、他のMカーと合流することになっている。

このイベントでは、非常に有能で、また多くの人々から愛されているBMW M社の50周年を祝う。

今はとてもよい季節なので、仕事を終えたら夜のドライブに出かけるつもりだ。M3でお気に入りの道を走るのは最高だろう。

30年前のM3 どんな印象?

30年前に高く評価したクルマを再び運転するのは、非常に興味深い。E30 ラヴァーリアはとても低く、プロポーションも現代のクルマとは大きく異なる。

また車幅も狭く、軽量でもある。ピラーは細く、普通これはボディ剛性が低いことを意味するが、このクルマはそうではない。

2.3リッターの4気筒エンジンは活発に回るが、現代の似たようなエンジンには匹敵しない。

のちにBMWは、ギアボックスの改良も行なっている。このM3の運転中に突如、なぜギア比可変ステアリングは素晴らしいアイディアなのか、理解できた。

それでも、ラヴァーリアのコーナリングでのグリップは優秀だ。それに車幅が狭いので、より直線に近い感覚でコース取りができる。

E30 ラヴァーリアは、BMWにとって極めて重要なクルマだ。手放さないのも無理はない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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