クルマ漬けの毎日から

2022.08.06

クロプリー家が19年間所有している、シトロエン・ベルランゴ・マルチスペース(2003年製)は、ついに新たなオーナーのもとへ旅立ちます。

【クロプリー編集長コラム】愛車、シトロエン・ベルランゴの旅立ち

もくじ

19年間 共に生活
決断の理由
今はまだ 心痛む

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

19年間 共に生活

我が家の古いシトロエン・ベルランゴは、まもなく新しいオーナーのもとへ旅立つ。

ベルランゴは19年もの長きにわたって、信頼性の高い走りを私たち家族に提供してくれた(不具合はフロントのスプリング2本が壊れたことと、数箇所の電気系統の故障のみ)。

今後ベルランゴは、これまでよりも良い環境で過ごすことになるだろう。

長年共に過ごし、旧友のような存在となっていたクロプリー編集長のベルランゴ(奥)。新型ベルランゴ(手前)との買い替えを検討したことも。

この結末をベストとはとても思えないが、もし新しいオーナーが良く知っている人でなかったならば、恐らく私はもっと複雑な心境になっていたと思う。

じつは新たなオーナーは知り合いのジャーナリストで、またベルランゴ愛好家でもあるジェームズ・ウォルシュなのだ。
ジェームズはきっとベルランゴを大切にして、手入れも十分にしてくれるだろう。それに、直近の私よりもずっとベルランゴに乗る機会が多いにちがいない。

決断の理由

なぜ手放すことにしたのかというと、結局のところ(妻が指摘しているように)、古いベルランゴは特別な価値のあるクルマではないから。

一方で、ベルランゴは所有していてほとんどお金のかからないクルマでもあるが、厳しい現実として、我が家のクルマは4台までという決まりがある。

クロプリー編集長のSNSにも度々登場。洗車中の1枚。

このほど、ダチア・ダスター(2021年後半登録の個体)を買うことになり、ベルランゴは駐車スペースをダスターに譲らなければならなくなったのだ。そのダチア・ダスターは、私がこの数ヶ月間に1万1000mile(約1万7700km)の長期テストを行なってきたクルマなのだが、どうしても返却する気になれず、手元に置くことにした。

今はまだ 心痛む

クロプリー編集長が自ら長期テストを行なったダチア・ダスター。ベルランゴの後継に。

これまでにもコメントしたように、ダスターは(ベルランゴと同じように)その特徴と能力がコストをはるかに上回っている。

しかも、ダスターというクルマは、周囲に何か特定なイメージを思い起こさせるクルマではない。どんな人が乗っているかを連想させず、まただれもが手に入れられるクルマが持つ魅力に、私は弱いのだ。

とはいえベルランゴを手放すことは、私が長年クルマのことで行なった最悪の決断のように、今は感じている。だが、これまでの経験からすると、なんとか乗り越えることができるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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