クルマ漬けの毎日から

2022.11.12

2021年のポルシェ・マカンの売れ行きは絶好調でした。しかし、クロプリー編集長は最近までそのことに気がつきませんでした。なぜでしょうか?

ポルシェ・マカンの謎【クロプリー編集長コラム】

もくじ

統計で認識 マカンの大成功
マカンの二面性

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

統計で認識 マカンの大成功

ポルシェ・マカンをあちこちで見かける。

どこへ行ってもマカンに出会うが、それでも最近まで、このSUVが販売においてどれほど大きな成功を収めているかを認識していなかった。

Twitterで自動車業界の統計データを話題にしている、私のお気に入りのアカウント「Car Industry Analysis(@lovecarindustry)」によれば、マカンのそのクラスにおける2021年の世界市場シェアは、14%だったという(販売台数:約8万7000台)。

マカンには、高い信頼を持つライバルが少なくとも15モデルは存在していることを考えると、これは素晴らしい数字だ。

昨年マカンは、アウディQ5スポーツバックとレンジローバー・ヴェラールを合わせた販売台数を記録している。

マカンの二面性

ほかのポルシェを欲しいと思うことはよくあるが、私はマカンを欲しいと思ったことは一度もない。だが、その理由は説明できない。

もしかしたら、私が運転したことのあるマカンはどれも、あまり強い個性を持たないバージョンだったからかもしれない。それに、フル装備のマカンに試乗したことがないのも、その理由かもしれない。

また、マカンのデザインはアウディの兄弟モデルと似ていて、私の好みよりもオーソドックスすぎることが原因かもしれない。

それにしても、マカンの素晴らしい業績を軽視することはできない。

マカンは自動車販売でもっとも活況を呈しているSUV市場の1つのクラスを支配し、よく見かけるクルマでありながら同時に、説明できない「謎めいた高級オーラ」も持ち続けているのだから。

競合モデルに関わる人たちは、マカンの成功をうらやましいと思っているにちがいない。その一方で、首をかしげているかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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