クルマ漬けの毎日から
2022.11.30
11月半ば、ジャガー・ランドローバー(JLR)は2年前に就任したばかりのCEOの辞任を発表しました。JLRにはいつの時代にも強いリーダーシップが必要だと、クロプリー編集長は考えています。
ジャガー・ランドローバーのCEO辞任に思うこと【クロプリー編集長コラム】
もくじ
ー CEO ボロレ氏 突然の辞任発表
ー 優先すべきは リーダーシップ
CEO ボロレ氏 突然の辞任発表
11月15日の午後、クルマ好きの友人たちから何通ものメッセージが私に届いた。
その中身にはどれも「ジャガー・ランドローバー(JLR)ではいったい何が起きているのだろうか?」と書かれていた。
JLRのティエリー・ボロレCEOが辞任するという突然の発表を聞いて、友人たちはこのメッセージを私に送信したのだ。彼らは皆、次に何が起きるのだろうかと気になっているが、私もそれを知りたい。
一方で、今回の辞任は単純なことのようにも思える。
というのも、JLRのようなイギリスを代表する会社には、いつも周囲に大声でしっかりと方向性を示し、また楽観的で、強いリーダーシップを持つ人物が必要だと思うからだ。
だが、これはボロレのスタイルではなかった。それに彼の側近も、だれもボロレに彼のやり方は間違っていると意思表示できる強さや勇気を持っていなかった。
優先すべきは リーダーシップ
会社の影の権力者たちが、その会社のCEOを指名する時、その人の天性の能力を優先して、新たな人材を選ぶことがあまりにも多いように私には思える。
そういう基準で選ばれた人物が、まるでコンピューターを上手く使っているかのように、会社の目標と価値を具現することができたら、それは嬉しい偶然であろう。
しかし、強いリーダーシップは成功を生み出している。
イーロン・マスクや、ステランティスのカルロ・タバレスに聞いてみれば、どのように成功したかがわかるだろう。かつてのイギリス自動車業界では、ロータスのコーリン・チャップマンや、ジャガーのウィリアム・ライオンズといった人たちが、優れたリーダーシップを発揮して会社を成功に導いた。
もっと最近では、マクラーレンのマイク・フリューイットも会社の顔として存在感を示していた。だが、現在のマクラーレンにはそういう人物はいない。
また、アストン マーティンのアンディ・パーマーも、よく批判されていたとはいえ、現在のアストンよりも、彼の時代のアストンに良い印象を持っていた人は少なくない。
JLRのリクルーターたちが再び行動を起こして新たなCEOを探す時には、リーダーシップをもっと重視することを期待したい。