クルマ漬けの毎日から

2023.07.13

かつて、軽量で小型なスポーツカーだった英国のMGに、多くの人々が魅了されました。2005年にMGローバーが経営破綻し、現在は中国のSAIC(上海汽車)がMGブランドを継承。そのMGから新型ロードスターが公開されました。

新型MGサイバースターは「新感覚」のロードスター【クロプリー編集長コラム】

もくじ

MGオーナーたちの反応
新型 ヘビー級ロードスター

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

MGオーナーたちの反応

私は葛藤している。先日、MGの新型EVロードスター「サイバースター」について楽観的なことを書いた。

このニューモデルは、ロンドンのメリルボーンにあるMGモーターUK本社で、チーフデザイナーのカール・ゴッサムによって初公開された。

しかし、その後、現在もMGを所有している何人かのオーナーと話して、私は複雑な心境になっている。

6月に公開された新型MGサイバースター。取材陣のなかにクロプリー編集長の姿も(右端)。

かつてのMGを所有している人たちはみな(しかめ面をして)、新型MGサイバースターの車重、サイズ、ドライビングポジションを知りたがっている。

それにどのオーナーも、もし後輪駆動モデルのサイズと車重が増加するのであれば、4駆モデル(500bhp)の登場は歓迎できないとも話している。さらに、自らが新型MGサイバースターを購入することはないだろうと、彼らは異口同音に言っているのだ。

新型 ヘビー級ロードスター

彼らのコメントが、MGの新型EVロードスターへの私の見方をぐらつかせていると言っているのではない。

この先駆的な2シーターは特別な感覚を持っているにちがいないと、確信するに十分な台数のEVを私はこれまで運転してきたから。

7月13日に開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023の会場にも姿を現した。

新型は、私たちが知っているロードスターとは異なるタイプのクルマとなると考えている。

というのもサイバースターは、かつてのMGの感覚を持つ軽量で小型なスポーツカーというよりも、BMW Z4に近いサイズ感で、車重はおよそ2tのクルマだから。

MGFは1995年に1.8リッターKシリーズエンジンを搭載して登場。2002年に総生産台数7万7269台で終了となった。

ところで、懐かしい1990年代半ばのミドエンジンのMGFは、コンパクトで機敏、また意外にも快適性も備えていた。

しかし、その素晴らしさはこれまであまり認識されてこなかったが、この新型MGサイバースターが誕生することで、MGFが再評価される日が近づいているかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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