クルマ漬けの毎日から

2024.03.13

日本の軽自動車は海外でも高い評価を得ています。21世紀の今、ヨーロッパで「新たな小型車セグメント」を望む声があがっています。それは、軽自動車のように手頃な価格で手に入る「小型EV」です。

軽自動車のEV版がヨーロッパを救う!?【クロプリー編集長コラム】

もくじ

ヨーロッパに必要 軽自動車サイズのEV
記憶に残る ミニカ・ダンガン

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

ヨーロッパに必要 軽自動車サイズのEV

ヨーロッパ自動車工業会(ACEA)は今、環境に配慮したEVでありながら、日本の軽自動車のように小型で手頃な価格で手に入る「新たな小型車セグメント」が、ヨーロッパに必要だと考えている。軽自動車は第二次世界大戦後に日本の自動車産業を発展させ、クルマの大衆化を推し進めた。

1958年に発売されたスバル360。1960年代に誕生したマツダR360クーペ、ホンダN360、三菱・ミニカなどの軽自動車とともに、日本のモータリゼーションを牽引した。

スコットランドのグラスゴーに本拠を置く自動車金融会社「スタートライン・モーター・ファイナンス」は、301人の顧客と61店の自動車ディーラーに意識調査を行なった結果、小型で低価格なEVを現代のヨーロッパに普及させたいという、ヨーロッパ自動車工業会の提案に賛同している。

記憶に残る ミニカ・ダンガン

私もこのアイディアに賛成だ。というのも、これまでに運転したことのある小型車のなかで、もっとも魅力的な何台かは軽自動車だったから。そのなかには、2ドア/360ccのホンダZと、654ccのクレイジーな三菱ミニカ・ダンガンZZ-4ターボも含まれている。後者の最高出力は64psで、トルクは極めて低い。しかし、この軽自動車は非常に面白く、一般道を8000rpmで爆走した。

1998年にデビューした大宇マティス(初代)。3気筒796ccエンジン搭載。ジウジアーロ率いるイタルデザインがスタイリングを手掛けた。

また、今でもよくイギリスで売買情報を見かけるのは、大宇マティス(三菱・ミニカよりも少し大きい)。マティスのエンジニアリングを手掛けたのは、そののちアストンマーティンでCEOを務めたウルリッヒ・ベッツであることは、よく知られている。

こういう小型車は壊れにくく、車内スペースもまずまず。しかも、驚くほど性能が高い。それに、わずか約28万円で好きなクルマを選ぶことができる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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