クルマ漬けの毎日から

2024.06.26

バギータイプのライトウェイトスポーツカー「ミカ・ミオンe」がイギリスで誕生。このクルマを手掛けたのは、ロビン・ホールという名の経験豊富なエンジニアです。

イギリスで誕生! 高性能EVバギー「ミカ・ミオンe」【クロプリー編集長コラム】

もくじ

EVバギーのスポーツカー
自動車業界の陰の立役者

EVバギーのスポーツカー

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)
エンジニアのロビン・ホール氏と、彼が手掛けた「ミカ・ミオンe」

夏がやって来た。友人のロビン・ホールはこの季節にぴったりなモビリティを披露した。それは、「ミカ・ミオンe」と名づけられたパワフルで高性能なバギー。

見た目は、アメリカ映画でスティーブ・マックィーンが浜辺を疾走しているビーチバギーに似ている。だが、ミカ・ミオンeはフォルクスワーゲンのコンポーネントはまったく使用していない。その代わりに、217psのEVパワートレイン、非常に剛性の高いシャシー、ダブルウィッシュボーン式サスペンションなど、現代のエンジニアリングを数多く取り入れている。

車重は675kgと極めて軽量。価格はなんと約1500万円と高額ではあるが、0-97km/h加速は3.5秒。このバギータイプのスポーツカーは、すでにイギリスで販売されている。

自動車業界の陰の立役者

水平対向4気筒エンジンを搭載するガソリン版の「ミオン」も、EVの「ミオンe」とともに開発され、2023年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで展示された。

ロビン・ホールはイギリス自動車業界内ではよく知られているエンジニア。素晴らしいスポーツカーのウェルズ・ヴェルティージュをはじめ、公にすることはできないが、多くのクルマに関わってきた。

電動化によりイギリスの少量生産メーカーは「新たな黄金時代」に入るだろうと、ロビン・ホールは確信しており、またその確信は彼の中で日々強まっている。私はとくにこの点に感心している。優秀な小規模自動車メーカーは、これまで以上にオリジナリティにあふれ、斬新で万能、そして運転して楽しい、素晴らしいクルマを提供することができるとホールは語る。

彼は単に口先だけではなく、すでに行動で示している。ホールはEV版と並行して、ビートルのエンジンを搭載するガソリン版ミオンの開発にも成功している。だが、この先ガソリン版は継続せず、EV版に絞っていくというのだ。その理由は、EV版のほうが優れているから。

AUTOCAR編集部(イギリス版)がこのバギーに初試乗する日が近づいている。いまからとても楽しみだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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