クルマ漬けの毎日から
2024.09.10
走行可能なスケールモデルを製造する「リトルカー・カンパニー」は、社名を変更して「ヘドリー・スタジオズ」となりました。社名変更の理由を探ります。
英国「リトルカー・カンパニー」の社名変更【クロプリー編集長コラム】
もくじ
ー 「ヘドリー・スタジオズ」へ 社名変更の背景
ー もはや「おもちゃ」とは呼べない
「ヘドリー・スタジオズ」へ 社名変更の背景
ビスター・ヘリテージ(オックスフォード近郊)を拠点とする「リトルカー・カンパニー」は最近、社名変更して「ヘドリー・スタジオズ(Hedley Studios)」という名になった。その背景には何があるのだろうかと興味を覚え、この会社の創設者でCEO、また新社名の一部に自身の名を提供したベン・ヘドリーに電話取材してみた。
社名変更のニュースを聞いた時、旧社名「リトルカー・カンパニー」の「リトル」という言葉は、この会社の仕事にそぐわなくなったのであろうと私は推察した。2019年以来、この会社は手作業で約500台のスケールモデルを製造してきた。
購入者はそのクルマをおもちゃではなく、工芸品として買い求めている。価格9万ポンド(約1710万円)で20bhpの電動パワートレインを備える最新モデル「ベントレー・ブロワー・ジュニア」は、登録して路上走行が可能。サイズはオリジナルの戦前モデル「ベントレー・ブロワー」の85%で、現代ミニ(BMW)の大きさに相当する。
もはや「おもちゃ」とは呼べない
CEOのベン・ヘドリーは社名変更の理由について、すべて察しの通りだと語った。また、他の株主におだてられて、自分の名前を新社名に入れざるを得なくなったことも話してくれた。
さらに、社名を変更した最大の理由は、あっと驚くような新しい仕事の依頼に向けての準備なのだという。「われわれは、75%スケールのフェラーリ・テスタロッサJのサスペンションのジオメトリーを、手間暇かけて正確にオリジナル(フェラーリ250テスタロッサ)の工場スペックと同じ設定にしました。
そうした手法で製作すれば、もはやそのスケールモデルは『単なるおもちゃ』とは呼ばれなくなるのです」とヘドリーは語った。ヘドリー・スタジオズが次にどのような新作を発表するのか、いまから楽しみだ。