クルマ漬けの毎日から

2024.11.25

ジャガー・ランドローバー・クラシック(イングランド中部)を訪問。JLRのクラシックカー部門が手作業で仕上げた、オフィシャルなレストモッドの「クラシック・ディフェンダー」を取材しました。

古くて新しい! スペシャルなクラシック・ディフェンダー【クロプリー編集長コラム】

もくじ

新旧あわせ持つ 特別な魅力
3日後:新たな「心のふるさと」

新旧あわせ持つ 特別な魅力

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

イングランド中部のコベントリー近郊にあるジャガー・ランドローバー・クラシック(JLRのクラシックカー部門)を訪問した。その目的は、V8エンジンを搭載した特別なクラシック・ディフェンダーを取材し、試乗すること。

このスペシャルなクラシック・ディフェンダーは、ジャガー・ランドローバー・クラシックが製造販売し、その価格はなんと19万ポンド(約3610万円)からスタートする。その製造工程をすべて見ることができた。2012年から2016年に製造され、買い戻されたディフェンダーをベースとするが、まずこのベースに新しいシャシーとサスペンションパーツを取り付ける。続いて、巨大なV8のパワートレインを組み込む。

また、この特別なクラシック・ディフェンダーのインテリアは、顧客の希望に応じて手作業でつくられる。今回は取材した3台のうち2台に試乗したが、古さと新しさが混ざり合う、なんとも興味深く面白いディフェンダーだと感じた。

今回取材したクラシック・ディフェンダーのうちの1台。

クラシック・ディフェンダーのデザインは、現在でも魅力的だ。なかでも市街地向き、またはオフロード向きのスタイリングがよく似合う。ワイパーは昔と同じようにうめくような音をたてる。それにドライビングポジションも狭く感じる。だが、シートが改良されているので、快適性は増している。

また、サスペンションレートが見直されたことで、突き上げ感とピッチングは和らいでいる。5.0リッターのV8(8速ATとの組み合わせ)は、極めてハイギヤード。それに、心地よいエンジンノートを響きわたらせる。

このクラシック・ディフェンダーがあれば、長距離を快適に走ることができる。だが、こういうクルマは万能な現代モデルをすでに持っている人向けである。

3日後:新たな「心のふるさと」

ジャガー・ランドローバー・クラシックへ取材に行った3日後、ブリティッシュ・モーターミュージアムの理事会に出席するため、円形の建物が特徴的なこのミュージアム(イングランド中部のゲイドン)へ出かけた。

ふと気がついたのだが、これで今週、私が「心のふるさと」と呼ぶ6つのうち3つを訪ねたことになる。なんとも嬉しい1週間になった。ところで、私にとっての「心のふるさと」とは、このミュージアムに加えて、グッドウッド・サーキット、ヒルクライムのシェルズリー・ウォルシュ、同じくヒルクライムのプレスコット、そしてマルヴァーンリンクのモーガン工場(2日前に訪問)、さらに比較的近年「心のふるさと」に追加されたビスター・ヘリテージ(5日前に訪問)の6つである。

そして、3日前に訪問したジャガー・ランドローバー・クラシックも、新たに「心のふるさと」に加えたいと思う。というのもジャガー・ランドローバー・クラシックは、クラシックカーの販売代理店、ミュージアムショップ、非常に優秀なワークショップ(その工賃は通常の販売代理店よりも安い)が合体した、まるで魔法のような場所だから。

それに、ジャガーとランドローバーの新旧のモデルに出会える「おもちゃ箱」のようなところでもある。ジャガー・ランドローバー・クラシックの向かい側に住んでいたら、どれほど楽しい毎日だろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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