クルマ漬けの毎日から
2024.12.24
スティーブ・クロプリー(英国版編集長)が取材を通して見た2024年を、写真とともに振り返ります。この前編では、1月から6月までをお届けします。
取材を通して見た「2024年」前編【クロプリー編集長コラム】
もくじ
ー 2024年 劇的な自動車業界
ー さあ、1月から順に一緒に見ていこう
2024年 劇的な自動車業界
昨年末、このコラムで1年を振り返った時、2024年には自動車業界に何か大きな出来事が起きるにちがいないと書いた。そして実際、そうなった。とくに興味深かったのは、クルマに関連することは私たちは理解していると思っているにもかかわらず、多くの重要な出来事は予測の範囲をはるかに超えていたこと。
今年、中古EVの価値がこれほど大きく下落するとは、だれが予測しただろうか? ベストセラーEVの1台であるポルシェ・タイカンでさえも、いまは下取りされない可能性があるが、その理由はEVの価値が安定していないからだ。
またジャガーはこれから2年間、イギリスでは新車を販売しない。これほど早期に現行モデルの販売をイギリス本国で終了させるとは、だれが予測しただろうか? さらにジャガーは、リイマジネーション(再構築)を追求するために、人もうらやむ102年の遺産をはるかかなたに葬ろうとしているが、このことをいったいだれが予測しただろうか?
イギリスの労働党新政府が、ゼロエミッション車の販売割合義務付け(ZEV義務化)の見直しを始めようとした矢先に、ステランティスがヴォグゾール工場(イングランド中部のルートン)の閉鎖計画を発表した。いったいだれがこのことを予測しただろうか?
このように深刻な状況にあるいま、1人のクルマ好きが、iPhoneに保存されている写真をもとに、1年を振り返ることには何か価値があるのだろうか? 携帯から写真を選ぶ作業をしながら、私はこのことを何度も自問していた。
だが、その答えはいつも同じだった。これからお届けする写真は、少なくとも私にとって、AUTOCARにおける喜びや驚きの詰まったこの1年を要約したもの。
クルマを運転し、所有することは大きな喜びであり続けると考える私の基本的な信念を、これらの写真を通して読者の皆さまにお伝えできれば嬉しく思う。またクルマを運転し所有する喜びが、私たち全員に続いていくことを願いたい。