クルマ漬けの毎日から

2025.03.08

英国のフェルテン社がEV化したクラシック・ミニに試乗。Mr.ビーンのミニに似たこのイエローとブラックの2トーンのミニを運転して、あることを思い出しました。

EVのクラシック・ミニに試乗! 思い出したこととは?【クロプリー編集長コラム】

もくじ

EVならお任せ 英国フェルテン社
クラシック・ミニ 運転に必要なこと

EVならお任せ 英国フェルテン社

今日1日の大半をフェルテンで過ごした。フェルテンというのは、EVテクノロジー全般を専門とする会社。

クラシックカーをEV化したり、オーダーメイドのバッテリーを製造したり、EV関連のエンジニアリングを教えたり、10台のEVを充電できる移動式充電ステーションの貸し出しを行なったりしている。

この会社については、別の機会にレポートしたいと思うが、今回はフェルテンがEVに仕立て直したクラシック・ミニ(最上段の画像)に試乗したので、このクルマのことをお話ししたい。EVシティカーとなったフェルテンのクラシック・ミニの航続距離は約160km(100mile)で、0-97km/h加速は8.0秒という。

クラシック・ミニ 運転に必要なこと

1964年1月、ミニ・クーパーSはモンテカルロ・ラリーで初優勝。60年代、ミニは真冬のモンテカルロで3度優勝という偉業を成し遂げた。

久しぶりにクラシック・ミニを運転できて楽しかった。しかし、正直なところ少し残念な気持ちにもなった。今回試乗したミニには、最新の素晴らしいEVパワートレインが与えられており、スムーズかつ機敏に走る。

またミニというクルマは相変わらず魅力的な小型車で、上手くパッケージングされていることにもあらためて感心した。それにゴーカートのようなステアリングフィールは、いまでも特別だと感じた。

だが、久し振りに運転してみて、最近では忘れていたあることを思い出した。それはこういう古いクルマを運転する時、ドライバーは現代のクルマならばほとんど気にならない小さな段差を避けるために、路面をよく観察して運転する必要があるということ。かつて私たちは、そうやってクルマを運転していたのだ。

たとえば、イギリスからイタリアのナポリまでの長距離ドライブを楽しんで休暇を過ごすとしたら、クラシック・ミニは理想的なクルマだと考える人もいるだろう。だが、ホットスモールカーの元祖であるクラシック・ミニは、今日では実用的なクルマというより、遊び道具と考えるほうがよいと、今回の試乗を通して実感した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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