クルマ漬けの毎日から

2025.03.17

今年2月、自動車業界に48年間貢献した英国人女性、リンダ・ジャクソン氏がプジョーCEOを退任し、引退しました。シトロエンでもCEOを務め、フランスの2つの自動車ブランドに大きな変化をもたらしました。

プジョーとシトロエンの元CEO、リンダ・ジャクソン氏の功績【クロプリー編集長コラム】

もくじ

シトロエンとプジョーに 新時代もたらす

シトロエンとプジョーに 新時代もたらす

プジョーの新CEOにアレイン・ファヴェイ氏が任命された。多くのメディアがこのニュースを報道しているのを見て、彼の前任者で、このたび引退したリンダ・ジャクソン前CEOを讃えたいと思った。彼女はかつてシトロエンでもCEOを務め、フランスの2つの自動車ブランドに非常に興味深い新時代をもたらした。

イギリス人のリンダ・ジャクソン氏は、フランスの2つの自動車ブランドの経営トップを務めた女性である。これは自動車業界史上初のことであるが、さらに重要なのは、彼女がその両方の仕事を大きな権限を持ちながらも穏やかに、かつ独特のスタイルでじつに見事に遂行したこと。

かつてシトロエンの大型モデルはしなやかな乗り心地、ハイレベルの高速性能、静粛性を持つラグジュアリーなクルマだった。こうしたクルマをあらためて追い求め、少なくともハイエンドモデルで、シトロエンがその素晴らしい伝統の1つに回帰したのは、彼女の監督下で起きたことだ。

シトロエンはこの伝統を守ることで、特別なクルマであり続けている。またプジョーCEO時代には、デザインの向上に力を入れ、それを実現させた。長年自動車業界に貢献したリンダ・ジャクソン氏に、大きな拍手を送りたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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