クルマ漬けの毎日から

2025.04.06

スズキ・スイフトのマイルドハイブリッドを運転して、グッドウッドで開催された2つのイベントに参加。ゴードン・マレー氏(カーデザイナー兼エンジニア)にも偶然会いました。

スズキ・スイフトに乗ってグッドウッドへ【クロプリー編集長コラム】

もくじ

月曜日:MGの新型「S5 EV」発表イベント
火曜日午前:毎年恒例 メディア試乗会
火曜日午後:ゴードン・マレー
金曜日:まだ返したくない! スズキ・スイフト

月曜日:MGの新型「S5 EV」発表イベント

昼食時間に少々あわてふためいて、AUTOCAR(英国版)編集部からグッドウッドへ出発した。この日グッドウッドでは、MGが「S5 EV」と呼ばれる最新EVで、日産キャシュカイのクラスのSUVを発表しようとしていた。

MGの新型SUV「S5 EV」(英国仕様)

しかし、午後に開催だったことも手伝って、私はすっかりこのイベントのことを忘れていた。だが、ギリギリのタイミングで思い出した。編集部の一番近くに置かれていて、すぐに借りられるクルマは、長期テストカーの「スズキ・スイフト 1.2 マイルドハイブリッド モーション」だった。

それで大急ぎでスイフトのキーをもらい、主要幹線道路のA3を(法定速度を守りながらも)ハイスピードで走り、イングランド南東部のチチェスターにあるグッドウッドへ向かった。

コンパクトSUVは、近頃では私と家族には最適なクルマではない。だが、MGの新型「S5 EV」については、次の3点でよい印象を持った。まず、MGはこれまでに他のモデルで、インテリアの質感がよくないという批判を受けていたが、今回の新型ではずっと上質な素材を取り入れていること。2つめは、中央のタッチスクリーンの下に物理ボタンの列を新たに設けたこと。基本的な機能をスピーディに操作でき、また運転中でも視線を移さずに操作できる。3つめは、驚きの価格設定。どのライバルモデルと比較しても、圧倒的に安い。

ジャーナリストのなかには、長所を挙げるとともに、現在のMGは中国資本だから価格が安いのだと批判的な見方をする人もいるだろう。だが、もしこれほど低価格でなかったとしても、MGの新型「S5 EV」は魅力的なプロダクトだといえる。

火曜日午前:毎年恒例 メディア試乗会

もともとの計画では、月曜日にMGのイベントがなければ、火曜日に早起きしてグッドウッドへ向かい、毎年メディア向けに開催される試乗会「メディア・ドライビングデー」に参加することになっていた。

この試乗会では、レアで試乗機会がめったにないクルマや高級モデルに、公道と(おもに)サーキットで試乗することができる。今年AUTOCARは、フェラーリ、マセラティ、マクラーレン、ハイエンドのBMW、ロータス、ポルシェ、ベントレー、ロールス・ロイスにそれぞれ1台ずつ試乗。またそのあと、数台のフォードとルノーにも試乗することができた。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス

私が最初に試乗したのは、最新のミニ・ジョン・クーパー・ワークス。クイックだが、荒削りではない。また美しい造り。イギリスの道路状況にほぼ完璧に対応できる。

MGサイバースターGT

次にデュアルモーターのロードスター、MGサイバースターGTに試乗。速くて見栄えもよい。だが、私の好みよりも少し大型で、乗り心地もやわらかい。

ロータス・エメヤ

続いて、サルーンのロータス・エメヤに試乗。非常に大型で静粛性が高い。ステアリングフィールが心地よく、ブレーキも素晴らしく、またスロットルの感度もほぼ完璧なのは、伝統的なロータスの進化型である証拠。

そのあと、フォードの主力モデルに数台試乗した。どれもまずまず良い出来だった。しかし、マスタングの順番の列は長く、残念ながら運転できなかった。さらに、右ハンドルのルノー5にも数km試乗。もっと長距離を運転したいと思った。総括としては、現在イギリスの自動車販売は好調ではないが、私たち自動車ユーザーに提供されているクルマは、これまで以上にハイレベルといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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