第11回ヒストリックカーミーティング in 東三河・浜名湖

2015.05.17〜18

text & photo:上野太朗 (Taro Ueno) photo:上野和秀 (Kazuhide Ueno)

 
2010年の7月に初回が開催されて以来、参加者を楽しませるプログラムで、回を増すごとに人気が高まっているヒストリックカー・ミーティングは、今回で11回目を迎えた。

そして今回、2015年の開幕イベントにあたるヒストリックカー・ミーティングは、5月16日から17日にかけて、愛知県は東三河/浜名湖エリアを舞台に行われた。

ラリー1日目は、拠点となったホテル・シーパレスリゾートに隣接する豊橋総合スポーツ公園からのスタート。会場を見渡すと、50台を超える参加車両がぎっしりと並べられている。1950年型のジャガーXK120 FHCを皮切りに、モーガン4/4やバーリントン(トライアンフ)、ポルシェ356からフェラーリテスタロッサランボルギーニカウンタック、アストン・マーティン・ヴァンキッシュまで……。駐車スペースにひしめきあう年式や国を問わない色とりどりの名車たちに、思わずごくりとつばを飲んでしまった。

スタート直後のスポーツ公園駐車場にて2連続PC(決められた区間を指定されたタイムで正確に走る)競技を行ったあと、スタンプ・ポイントとされた豊橋市役所にて地元の大崎文化保存会の奏でる笛や太鼓に耳を傾けながら再スタート。ユタカ自動車学校の教習コースでは60mを12秒、50mを7秒、40mを10秒でこなす3連続のPC競技を行った。PC後には、用意されたなめし田楽のランチに舌鼓を打つ。そう、地元のグルメを楽しむのも大会主催者が謳う「五感を刺激する極上の車旅」の外せないポイントなのである。

再スタートしたのちに向かったのは「道の駅つくで手づくり村」。ここでは2連続のPC競技を行い、それぞれの達成感を味わったエントラントは一息つくとともに、採れたての新鮮野菜や工芸品を手に取っていた。その後足を伸ばした、愛知のエンスージァストたちがこぞって腕を磨く本宮山スカイラインは、11.6kmにわたる思わず笑顔になるような峠道。われわれも本来の仕事など忘れ、他のエントラントとともに存分に楽しませてもらった。

その後、浜名湖畔レークサイドウェイを悠々とドライブしたのちに向かったのは、港湾技能センターのコースをまるっと貸し切った、360°ターンを含む全長520mの4連続(!)PC。中には深々とボディをロールさせながら激しいスキール音とともに疾駆する車両も見られ、これには見学者たちも感嘆の声をあげていた。

そして夜。正装に着替えたわれわれはホテル内の特設会場にてパーティに参加。主催者の天野正治氏のあいさつとともにスタートしたパーティは、しっとりとしたジャズ・トリオの演奏や演歌の披露など、もう別世界にいるかのようだ。もちろん会場で振る舞われた新鮮なお魚やワインにも抜かりはない。そして、徐々に高まりゆく会場の雰囲気とともにステージ上に現れたのは、サンバのチームだ。去年末の伊勢志摩で姿を消して出演者を落胆させたが、期待に応えての復活である。大喜びのエントラントの “何度味わっても最高!” などのコメントとともに会場内の熱は絶頂に達した。

その後エントラント全員が導かれたのは、ホテルのエントランス。そこで行われたのは和太鼓のグループ「海燕」による太鼓の演奏だった。大迫力の太鼓に筆者を含む同席の皆がすっかり心をつかまれてしまった。この時点で既に大満足だというのに、会場はホテルに面する海辺のテラスへと移る。そこでエントラントを待ち受けていたのは闇夜に輝く大輪の花火と三河湾に注がれるきらびやかな火の流れであった。天野さん、恐れいりました。

2日目はホテルをスタート後、蒲郡埠頭にてPC競技をこなしたのちに三ヶ根山スカイラインにてヒルクライムとダウンヒルを満喫する。ここにも地元のエンスージァストが多く集まっており、それぞれの愛車を前にエントラントとクルマ談義に花を咲かせていた。続いて、こどもの国のスタンプ・ポイントを通過したのちに、スパ西浦モーターパークのコースを使いロングPCを行った。速く走るのではなく、指定された時間を走行するという難易度の高い競技であったが、エントラントの皆さんは緊張感をも楽しんでいた様子。その後訪れた山本水産ではカニのお味噌汁が振る舞われ、ここでもエントラントを喜ばせることに抜かりはなく、「とよかわ美味しい広場」で言葉どおり美味なお野菜やパンを味わったのちにゴールと相成った。

それぞれが最高のコンディションに整えられたヒストリックカーを愉しむのはもちろんのこと、行く先々で笑顔で手を振ってくれる地元の人々や雄大な自然、とことんわれわれを楽しませてくれようとする運営スタッフの一体感こそが、ヒストリックカー・ミーティングの何よりの魅力だ。女性エントラントへの配慮も行き届いており、ドライバーやナビゲーター問わず、料理やプレゼントなど、競技以外のお楽しみが多いのも男女コンビの参加率の高さの理由である。初めて参加した筆者も、心から楽しむことができた。

次回の開催は9月21~23日の予定。映画のロケ地として確保するのも難しい松本市あがたの森をスタートし、飛騨高山から金沢、富山へと駆け上がる雄大なルートが組まれている。参加申し込みはヒストリックカー・ミーティングのホームページより6月1日から行われ、50台限定となるのでお早めに。

  • 朝、エントラント全員が集まって、イベントに関する諸注意を受ける。

  • ゼッケンを貼った瞬間から、いよいよ始まるラリーにドキドキしてくる。

  • かわいいお孫ちゃん2人も、雨で濡れたボディを拭きあげ、準備万端。

  • 正確なタイムを出すには、ラリー・タイム・キーパーの調整も必要不可欠。

  • スタート。夫婦の息を合わせ、指定時刻ぴったりのスタートを目指す。

  • 再スタートの場所、豊橋市役所では大崎文化保存会の太鼓演奏が披露された。

  • 自動車学校のコースを貸し切ったコースでも、皆、真剣そのもの。

  • 2番目のPC会場「ユタカ自動車学校」の看板娘たちも笑顔で迎えてくれた。

  • 色とりどりの可愛らしい市電としばしのランデブーを楽しんだ。

  • 夜、パーティー会場では第35第「ミスみなと」の3人がお出迎え。

  • 常にエントラントを笑顔にしてくれる主催者、天野氏の挨拶で幕が上がる。

  • 飛行機事故で亡くなった天野氏の盟友、小林春吉氏のご家族には感謝状。

  • 東愛知新聞社の藤村正人氏と「ミスみなと」の3人による乾杯の音頭。

  • マリアローデス&エバカルテットによる、うっとりとするジャズ演奏。

  • そして皆がお待ちかねのサンバのステージ。会場は一気にヒートアップ!

  • あまりの興奮に、思わずハグするエントラントたち。分かりますその気持ち!

  • その後は皆で会場を移動。大迫力の太鼓演奏にさらにテンションが高まる。

  • お楽しみはまだまだ。ホテルの外に案内されると、そこには大輪の花火が。

  • 三河湾に注がれるきらびやかな火の流れ。なかには目をウルッとさせる人も。

  • 2日目の朝。快晴。ピカピカに磨きあげられたボディには初夏の陽光がはしゃぐ。

  • S(スーパーカー)クラスのワン・ツー・フィニッシュを飾った2台。

  • ここは日本?! と疑ってしまう1枚。こうした風景があらゆるスポットで見られた。

  • 三ヶ根山スカイライン頂上で地元のエンスージァストと交流するエントラント。

  • 三ヶ根山山頂から見える風景。深呼吸して次なるPC会場へもうひとっ走り。

  • こどもの国前に用意されたスタンプ・ポイント。ゼリーの差し入れも。

  • 今大会最長のPC会場、西浦サーキットで準備を整えるポルシェ356勢。

  • いよいよ出走の瞬間。こうして見ると、年式/国籍の幅広さがわかる。

  • 山本水産でほっこり美味しいカニ味噌汁を振る舞ってくれたお母さん。

  • 他にも新鮮なお魚がたっぷりと用意されているが、肝心なスタンプも忘れずに。

  • いよいよ閉会式。3姉妹ユニットRs(アース)の透き通る歌声から始まった。

  • もちろん今回も恒例のじゃんけん大会があった。こうしたお楽しみも嬉しい。

  • 今回の総合優勝は#8の稲川・松井ペア。5305ポイントを獲得した。

  • アメリカ大陸を西〜東海岸を走破するラリーに参加する予定の2組の壮行会も行われた。

  • 帰りの際のおみやげにも抜かりはない。今回のメインは安曇野ワイン。

  • 写真をご覧のとおり、おみやげは両手に抱えきれないほどだった。

  • #1/ジャガーE-タイプSr.Ⅰ FHC

  • #2/ジャガーXK120 FHC

  • #3/ジャガーD-タイプ

  • #4/ジャガーXK120

  • #5/ジャガーXK150 DHC

  • #6/ジャガーE-タイプSr.Ⅰ

  • #7/ジャガーE-タイプSr.Ⅰ

  • #8/モーガン4/4

  • #9/モーガン+4

  • #10/フェラーリ250 GTE

  • #11/フェラーリ・テスタロッサ

  • #12/トライアンフTR 2

  • #13/トライアンフTR 3

  • #14/レクサスRCF

  • #15/ポルシェ356A

  • #16/ポルシェ356Aスピードスター

  • #17/ポルシェ356コンバーチブルD

  • #18/ポルシェ911

  • #19/ポルシェRS

  • #20/アルファロメオSZ

  • #21/ダットサンロードスターSPL311

  • #22/トヨタ・パブリカ・コンバーチブル

  • #23/トヨタ・スポーツ800

  • #24/フィアット500Nuova

  • #25/フィアット600E

  • #26/フェラーリF355

  • #27/ランボルギーニ・カウンタック

  • #28/フォードGT

  • #29/アストン・マーティン・ヴァンキッシュ

  • #30/アストン・マーティン・ヴァンキッシュ

  • #31/MG C

  • #32/オースティン・ヒーレー3000

  • #33/オースティン・ヒーレー100/6

  • #34/サヴィオ・アズテック

  • #35/スティードマン

  • #36/バーリントン(トライアンフ)

  • #37/メルセデス・ベンツ500SL

  • #40/アルファ・ロメオジュリエッタスパイダー

  • #50/フォルクスワーゲン・ゴルフ・カブリオレ

  • #51/ホンダS800

  • #53/アルファ・ロメオ・MiTo

  • #54/ミニ

  • #55/トライアンフTR4

  • #57/コルベット・スティングレーC2

  • #58/シトロエン2CV

  • #59/ルノー・キャトル

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