リシャール・ミル鈴鹿サウンド・オブ・エンジン2017

2017.11.18-19

鈴鹿サウンド・オブ・エンジンが大幅にパワーアップ。ヒストリックF1、グループCカー、2輪のロードレーサーが駆け抜け、イベント名のとおり魅力的なエグゾーストノートを披露しました。

text:Kazuhide Ueno(上野和秀) photo:MOBILITY LAND(モビリティランド)

モータースポーツの歴史 後世に伝える

現在もF1グランプリを開催する鈴鹿サーキットは、モータースポーツが持つ貴重な歴史にスポットライトを当てた鈴鹿サウンド・オブ・エンジンを2015年から開催している。「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」や「モントレー・ヒストリックカーレース」などのヒストリックカーイベントと並び称されることを目指したもので、展示だけではなく実際にレーシングコースを走行し、往年のレーシングマシンの雄姿とエンジン音を感じてもらうことを特徴とする。

今年の初日はあいにくの降雨で走らないマシンもあったが、2日目は天候に恵まれてドライ路面となりヒストリックカーのイベント日和となった。

ヒストリック・フォーミュラ1 大挙参加

3回目を迎えた今年は、ヨーロッパで注目を浴びているもうひとつのF1グランプリといえる「マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1」のデモンストレーション・レースを初開催したのがニュースだ。「マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1」は、1966年から1985年までにF1に参戦したノンターボ3ℓエンジンを搭載するマシンという車両規定で、当時のカラーリングを保つ必要がある。しかし安全基準は重視されており、FIAのヒストリック・テクニカル・パスポートが必要で、本気で走る厳しさがある。2017年はかつてF1GPが開かれたサーキットを中心に8戦が組まれる人気急上昇中のレースで、多い時は30台以上が競うもうひとつのF1GPといえる存在なのである。

今回マスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1シリーズを転戦するマシンの中から精鋭が来日し、ノンタイトル戦ながらその雄姿と本気の走りを披露した。今回参加したマシンは以下の通り。

・1970ティレル001
・1972ブラバムBT37
・1974ヘスケス308B
・1974ロータス76
・1975マキF101C
・1975ウイリアムズFW04
・1976マーチ761
・1976マーチ761
・1976マクラーレンM26
・1976ペンスキーPC4
・1981ブラバムBT49C
・1982ウイリアムズFW08
・1983ロータス92
・1983ティレル012

このほかデモランのみのレジェンド・オブF1クラスも設けられ、マクラーレンM26やコジマKE007、ウルフWR1、アルファ・ロメオ179Cなども加わり、往年のF1マシンが鈴鹿サーキットを駆け抜けた。

初日の18日は朝から雨が降る残念なコンディションとなったが、本気で闘うドライバーたちだけにレインタイヤを装着してプラクティスのタイムアタックに挑んだ。またこのイベントの冠スポンサーを務めるリストウォッチ・メーカー、リシャール・ミル代表のリシャール・ミル氏も、自らのマクラーレンM26で参加している。

今年のゲストはロベルト・モレノ

鈴鹿サウンド・オブ・エンジンでは毎年かつて鈴鹿で活躍したドライバーをゲストに招くが、今回は1990年の日本GPで欠場したアレッサンドロ・ナニー二の代役としてベネトンに起用されたロベルト・モレノ。苦労人モレノは本領を発揮し同郷のネルソン・ピケに続く2位表彰台を獲得したことは、日本のF1ファンにとっては忘れ得ぬ出来事だ。それだけにサイン会では当時のプログラムを持参したベテランファンの姿も見られ、20数年ぶりに訪れた鈴鹿での暖かい出迎えに感激していた。

またマスターズ・ヒストリック・フォーミュラ1に参戦するオーナーの好意により、当時憧れだったウイリアムズFW08やFW04などをドライブする機会に恵まれ、ウェット路面で現役ドライバー以上のタイムを記録するなど、まだ腕前が衰えていないことを示した。
 

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事