こんな相棒がいてくれたら ジープ・グランドチェロキーは気取らず付き合えるナイスガイ

公開 : 2024.02.05 15:45

高い完成度をひけらかさない「控えめな存在感」

わが国でも人気ある米国製プロダクトといえば幅広いが、グランドチェロキーを見たとき私は、独バウハウスの思潮にも影響を受けたと言われるアップル社が手がけるマックブックなどの、審美性の高いデザインとの共通性すら感じた。

プロダクトとしての完成度は高い。機能を突き詰めたものは古くならないという「定理」は、たとえばジーンズでおなじみだ。あるいは、米国の映画や音楽に見られるように、ベースになる考えかたや技術がしっかりしている。ラップミュージックだって、堅固な音楽的土台のうえに、リズムやバースなどで新しさを作りだしている。

それで説得力を感じさせるのは、グランドチェロキーも同様ではないだろうか。オフロード車とはなにかを徹底的に考え抜いてきたジープが、ドライバーのために最大化した価値として、このクルマを作り、提供してくれているのだ。

だから、操縦性や快適性で卓越していて、ドライバーにとって、安くない買い物かもしれないけれど、そのプライスタグへの見返りが得られるはず。かつ、乗るひとを際立たせてくれる、いわゆるアンダーステイトメント(控えめ)な存在感も、このクルマならでは。

ブランドに頼りきるのではなく、自分なりの選択。グランドチェロキーとは、クルマ好きにとって希有なマニフェストになるクルマだ。

ジープ・グランドチェロキー 公式サイトをみる
 

記事に関わった人々

  • 執筆

    小川フミオ

    1959年生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。二玄社(にげんしゃ)で「NAVI」の編集に携わる。1999〜2001年、編集長。02年より「モーターマガジン」(モーターマガジン社)の編集長に。同年秋より「Food and Style」を謳うグルメ誌「アリガット」(IMAGICAパブリッシング)の編集長に。2004年よりフリーランス。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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