こんな相棒がいてくれたら ジープ・グランドチェロキーは気取らず付き合えるナイスガイ
公開 : 2024.02.05 15:45
高い完成度をひけらかさない「控えめな存在感」
わが国でも人気ある米国製プロダクトといえば幅広いが、グランドチェロキーを見たとき私は、独バウハウスの思潮にも影響を受けたと言われるアップル社が手がけるマックブックなどの、審美性の高いデザインとの共通性すら感じた。
プロダクトとしての完成度は高い。機能を突き詰めたものは古くならないという「定理」は、たとえばジーンズでおなじみだ。あるいは、米国の映画や音楽に見られるように、ベースになる考えかたや技術がしっかりしている。ラップミュージックだって、堅固な音楽的土台のうえに、リズムやバースなどで新しさを作りだしている。
それで説得力を感じさせるのは、グランドチェロキーも同様ではないだろうか。オフロード車とはなにかを徹底的に考え抜いてきたジープが、ドライバーのために最大化した価値として、このクルマを作り、提供してくれているのだ。
だから、操縦性や快適性で卓越していて、ドライバーにとって、安くない買い物かもしれないけれど、そのプライスタグへの見返りが得られるはず。かつ、乗るひとを際立たせてくれる、いわゆるアンダーステイトメント(控えめ)な存在感も、このクルマならでは。
ブランドに頼りきるのではなく、自分なりの選択。グランドチェロキーとは、クルマ好きにとって希有なマニフェストになるクルマだ。