電気のチカラがラングラーに与える安心感とは? スノートレイルで試すルビコン4×eの実力

公開 : 2024.02.27 13:55

時代にマッチ、究極のいいとこ取り

今年は暖冬なのでスキー場が点在するような信州の山の上でも期待したほどの積雪がなかった。例えもっとタフな条件に出くわしたとしても、ルビコンには4L(4WDローギア)+前後デフロック+スウェイバー解除という奥の手もある。

しんと静まり返った雪原で窓を全開にして、氷点下の乾いた空気を感じながらEV走行に興じてみた。タイヤがギュッと雪を踏みしめる音だけが響き、最新の電動ラングラーと大自然の親和性の高さが堪能できたのである。

ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xeの高い走破性は、雪が泥や岩の道に変わっても変わらない。ドライバーに絶えず安心感を与えてくれることこそ、日常のあらゆるシーンでジープに乗るメリットなのである。

また静かなEVドライブは究極のオフロード走行でもマンションの地下駐車場からクルマを出す際などでも有効という点も強調しておきたい。ジープの最強モデル、ラングラーの場合でも内燃機モデルに対するハイブリッドのアドバンテージは確かにあるのだ。

一方、雪を求めてかなりの距離をあてもなく走り回った今回の旅では、内燃機の存在もいつも以上に頼もしい存在として感じられた。同じ行程をBEVでこなしていたら、航続距離や充電スポットの関係で少し不安に感じるシーンがあったように思うのだ。

自動車世界は内燃機からBEVへと移行していく100年に1度の大変革期の最中にある。今日の正解とは何か? その確かな答えが、伝統と革新がほどよくミックスされたラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xeに宿っていると実感させられたのである。

ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xe 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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