マセラティ グレカーレ モデナ 実現するのは「日常にマセラティを添える」非日常体験だ

公開 : 2024.04.01 11:05

伝統的な革内装とデジタルが溶け合う世界観

グレカーレ モデナの実車は、海神ネプチューンの持つ三又の槍(トライデント)をモチーフにしたエンブレムを中央に据えたグリルの迫力と、SUVとしては最も低いレベルの車高が印象的なモデルだった。ブルーインテンソと命名された少し赤みを帯びた紺色もマセラティの瀟洒なイメージと完璧に符合する。

室内は黒基調でまとめられていた。シートの表面のみならず、ダッシュパネルやセンターコンソールにも精緻なステッチが走り、本革内装の質感の高さを強調している。

ステアリング上のスタートボタンを押すと、黒い室内空間で存在感を消していたデジタルパネルにきめの細かいグラフィックが浮かびあがる。ドライバー正面のメーターパネルやダッシュ中央のナビモニターだけでなく、そのすぐ下に配されたタッチ式の操作パネルもデジタル化されているのだが、マセラティの伝統的な意匠と先進的なインターフェイスは違和感なく溶け込んでいる。

フロントシートはサイドのサポートが張り出したスポーティな形状で張りもあるが、座り心地は上々。思いのほか低い位置に座らされる感覚はSUVらしからぬ部分だが、それでもSUVらしく視界の良さは確保されている。

ギュッと一体感のあるボディから想像する以上にリアシートとラゲッジスペースはゆったりとしているので、普通のクルマ旅だけでなく家族でアウトドアアクティビティに出掛けるような使い方にもしっかりと対応できるキャパシティの持ち主といっていい。

さあステアリング上のスタートボタンを押して走り出してみよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

マセラティ グレカーレの魅力

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事