マセラティ グレカーレ モデナ 実現するのは「日常にマセラティを添える」非日常体験だ
公開 : 2024.04.01 11:05
もっとも「日常の一部」にしたいマセラティ発見
4気筒ターボの第一声は力強く、ボディに微かな振動を伝えてくるが、その立ち振る舞いは極めて静かだ。トップモデルのトロフェオはパワーもさることながら、エアサスによる懐の深い乗り心地を特徴としていた。
それに対しコイルスプリングと可変ダンパーによる簡潔な足回りを備えている今回のモデナは、ドライビングモード(コンフォート、GT、スポーツ)ごとの変化がわかりやすい。特にGTモードで高速道路を飛ばした際のフラット感の高さは特筆すべきだろう。
パワートレインに関しても、ダッシュ力に優れる4気筒ターボの尖ったキャラクターを48Vの“実効性のある!”マイルドハイブリッドがうまくサポートしている印象。
このため4気筒イコールもの足りない、もしくは粗っぽいといったマセラティらしからぬフィーリングにはオチていないのである。内燃機とモーターが巧妙に絡み合う、必要にして充分なパワーユニットといえるだろう。
クルマ全体から漂う気品や静けさ、加速の素早さ、ダイレクト感あふれるステアリングフィールといった動的質感はマセラティそのもの。だがそこに、ちょうどいい車高による乗り降りのしやすさと広い荷室に代表される実用性の高さ、そしてカジュアルな雰囲気がプラスされている。マセラティのラインナップ中で最も普段使いしたくなる1台、そんな表現が当てはまると感じたのである。