三菱アウトランダーPHEV 揺るがぬ人気を裏づける高い実力とは
公開 : 2024.03.28 11:05
自動車ジャーナリストの鈴木ケンイチが、三菱アウトランダーPHEVの走りや使い勝手を解説します。
もくじ
ー コンセプトの先駆者、アウトランダー
ー 確かに息づく「4WDの三菱」の走りの遺伝子
ー 高い質感に充実の安全装備 これが三菱の電動車フラッグシップだ
コンセプトの先駆者、アウトランダー
「アウトランダーPHEV」に乗ると、いつも感心するのは、そのコンセプトだ。「アウトランダーPHEV」のコンセプトは、「SUVである」ことをベースに、「PHEVである」ことと「ツインモーターの4WDである」ことをミックスさせたものだ。
そうした「SUV」+「PHEV」+「4WD」というコンセプトは、今となっては珍しいものではない。それもそうだろう。「SUV」はラゲッジが使いやすく利便性に優れる。大柄な車体は、重いバッテリーをたくさん積む電動車にマッチする。
そして、「PHEV」であるため、買い物や送迎などの短距離はBEVとして使うことができ、週末のロングドライブはHEVらしくロングドライブを苦も無くこなす。
現行型「アウトランダーPHEV」は、満充電で約80kmのEV走行を可能とし、56リッターの燃料タンクに備えたガソリンを使ったエンジン走行を加えれば、航続距離は1000km近くにまで伸びるのだ。ユーザー目線でいえば、数多くある電動車のうち、もっとも使い勝手がよいのはPHEVだ。
また、前輪と後輪用のツインモーターの「4WD」は、パワフルで悪路に強い。つまり、「SUV」+「PHEV」+「4WD」は非常に優れたコンセプトなのだ。
けれど、最初の「アウトランダーPHEV」が発表された2012年には、そのようなコンセプトは他になかった。当時はBEVでさえようやく量産車が登場したばかりであり、PHEVも希少であったのだ。今から12年も前に、そうしたコンセプトを打ち立て、「アウトランダーPHEV」という量産車をリリースさせた先進性は、素直に称えるべきであろう。