「鉄仮面」に惑わされるな!? ヒョンデの末弟「コナ」は、小さくてもハイレベルの実力派

公開 : 2024.04.12 11:05

コンパクトでも見劣りしない充実装備

コナ ラウンジのスタイリングで目を引くのは細く横一線に走るヘッドランプ、シームレスホライズンランプを含むツルッと滑らかなフロントマスクだろう。またフロントバンパーの中心から少し左側に見える充電ポートのカバーも、BEVであることをわかりやすく主張している。

ボディサイドは複雑な面構成になっており、SUVらしくホイールアーチが縁取られて強調されている。タイヤは今回試乗したラウンジのみ19インチ、カジュアルとボヤージュは17インチが標準となっている。

ドライバーズシートに座ると、眼前に広がる壮観な光景に驚かされる。直線的な造形が目立つダッシュパネルには2枚のデジタルパネルをつなげた横長のモニターを装備。ラウンジの場合ドライバー正面のメーターパネルにはフロントカメラからの映像に矢印を投影したARナビゲーションを映すこともできる。ダッシュパネルの下半分には物理スイッチが整然と並んでおり、直感的な操作にも対応している。ステアリングのスポーク上にACC関係をはじめとするスイッチ類が集約されているあたりも時流に乗っているといえるだろう。

一方厚みのあるヘッドレストや程よく再度サポートが立ち上がったシートはクセのないヨーロッパ的な雰囲気。ラウンジのシートに標準装備される柔らかめの本革の質感も高い。
リアシートも座面長が十分に確保され、背もたれも常識的な角度まで後傾し、ゆったりとした空間となっている。またグレードを問わず、フロントシートにはシートヒーターとシートベンチレーションを完備。またラウンジではリアシートにもヒーターを完備しているというから驚きだ。

またラゲッジスペースも、奥まで手が届きやすい奥行きと左右の壁のえぐれによって実用的な感じが伝わってくる。フロントボンネット下に小物入れが備わるあたりもBEVならではといえるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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