「鉄仮面」に惑わされるな!? ヒョンデの末弟「コナ」は、小さくてもハイレベルの実力派

公開 : 2024.04.12 11:05

装備に感じる「おもてなし」 日常の相棒にしたい1台

デザインやドライブした感じはヨーロッパ・テイスト。一方で今回感心させられたのは、最新のBEVならではの細かな配慮だった。それは例えば、ダッシュ中央に据えられたUSBポートや12V電源、スマートフォンのワイヤレスチャージ、さらに今回試乗したラウンジの場合スマホやスマートウォッチでドアの開閉や始動ができるデジタルキーも備わっていた。

また室内外にV2L(ビークルトゥロード)機能が備わっており電気機器を使用できるほか、4人家族が4日間過ごせる容量をもったV2H(ビークルトゥホーム)にも最新のBEVらしさが漂う。コナ ラウンジの場合、おおよそ考えられるエクイップメントをフル装備していると言えるほど充実した仕様になっているのだ。

今回の試乗に出発する際、メーターパネルの右下にはバッテリー残量は28%、走行可能距離は95kmと表示されていた。この数字は直近の電費データから予測したものなので高速道路で巡航すればさらに伸びるはず。WLTCモードにおける一充電走行距離は541kmとなっているが、まだ寒い季節でヒーターの使用が欠かせないので実質的には450kmあたりが妥当な線ではないだろうか。自宅でフルに近く充電していれば、普段使いでストレスを感じることはまずないスペックといえるだろう。また充電の際、走行用バッテリー自体を適温にして充電効率を高めるバッテリーコンディショニング機能が付いている点も体感はしにくいが親切な装備だと感じた。

今回、半日ほどコナ・ラウンジと過ごしてみて、おおよそ弱点が見当たらないという印象を持った。Bセグメントの取り回しの良さはそのまま、装備の充実ぶりや一充電走行距離はサイズ感以上のものがある。

普段使いのオールマイティな1台を探しているのであれば、ヒョンデ・コナに触れてみるべきだと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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